優勝トロフィーとシャンパンを手にするアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー、2020年F1イタリアGP決勝レースcopyright Getty Images / Red Bull Content Pool

大波乱…ガスリーが歓喜の初優勝!レッドブル・ホンダはエンジントラブルもあり無得点 / F1イタリアGP《決勝》結果とダイジェスト

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2020シーズンFIA-F1世界選手権 第8戦イタリアGP決勝レースが9月6日に行われ、予選10番グリッドからスタートしたアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが、マクラーレンのカルロス・サインツを0.415秒差で退けてキャリア初優勝を果たした。70年のF1史において109人目となるウィナーの誕生だった。

モンツァ・サーキットにはフランス国歌の演奏の後、イタリア国歌が鳴り響いた。フランス人F1ドライバーとしては、1996年モナコGPでのオリビエ・パニス以来となる24年ぶりの勝利だった。奇しくもその時のマシンは無限ホンダエンジンを搭載していた。

チーム史上2度目の勝利に歓喜するアルファタウリ・ホンダ、2020年F1イタリアGP決勝レース
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第8戦の舞台は、1980年にイモラ・サーキットにその座を譲った以外、1950年の世界選手権化から数えて全てのF1イタリアGPの舞台を務めてきた伝統のモンツァ。現存するサーキットとしてはブルックランズ(イギリス)、インディアナポリス(アメリカ)に続いて、世界で3番目に長い歴史を持つパワーサーキットだ。

公式タイヤサプライヤーのピレリは中間レンジのC2からC4までのコンパウンドを投入。トップ10は全車が中古ソフトを履き、10番手以降ではエステバン・オコン(ルノー、12番手)とシャルル・ルクレール(フェラーリ、13番手)の2台が新品ソフトを装着。ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ、11番手)とセバスチャン・ベッテル(フェラーリ、17番手)はハード、他はミディアムでのスタートとなった。

決勝は、日本時間6日(日)22時10分にブラックアウトを迎え、1周5,793mのコースを53周する事で争われた。現地モンツァは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温27.7℃、路面44.8℃、湿度39.7%のドライコンディションで開始された。レース中の降水確率は20%と発表されたが、上空には雲が殆どなく、チェッカーまで雨が路面を濡らす事はなかった。

アルファタウリ・ホンダ50戦目の節目での大金星

ファエンツァを本拠とするアルファタウリとしては、12年ぶり、チーム史上2度目の勝利となった。トロロッソ時代の2008年、チームはセバスチャン・ベッテルと共にモンツァで初優勝を飾った。6日のレースは、ホンダと提携して臨んだ50戦目の節目のレースだった。

10番グリッドのガスリーは1周目の混乱をくぐりぬけてポジションをキープ。ケビン・マグヌッセン(ハース)が19周目にコース脇にマシンを停めた事で振られたイエローフラッグを機に、いち早くピットストップに動いた。

その直後にセーフティーカーが導入された事で他車が一斉にピットイン。ステイアウトしたガスリーは大きなゲインを得て3番手に浮上。28周目にランス・ストロール(レーシングポイント)を抜き去りトップに立つと、猛追するサインツを抑えきって見事トップチェッカーを受けた。3位表彰台にはストロールが続いた。

もう一台のAT01を駆ったダニール・クビアトも9位入賞を果たし、アルファタウリ・ホンダとしてはこれ以上ない母国レースとなった。

ノーポイントに終わったレッドブル・ホンダ

対照的に、ホンダ製F1パワーユニットを搭載するもう1つのチーム、レッドブル・ホンダ勢はノーポイントという非常に厳しい結果に終わった。

マックス・フェルスタッペンは1周目に3ポジションダウンの8番手に後退すると、ピットストップのタイミングで更にポジションを落としてポイント圏外に。14番手を走行していた31周目にパワーユニットに問題が発生したことでリタイヤを喫した。

アレックス・アルボンの方は、オープニングラップのターン1でイン側にいたガスリーと接触し、6ポジションダウンの15番手に後退。更に、他車に十分なスペースを残さなかったとして5秒ペナルティを受けた。ピットタイミングでもコース上でも挽回できず、完走車両としては下から2番目の15位でフィニッシュした。

2台がリタイヤを喫したフェラーリ

アルファタウリがこの上ない最高の結果を手にした一方で、同じくホームレースであったスクーデリア・フェラーリは2台がリタイヤという最悪の結果に終わった。

まず姿を消したのは予選17番手のセバスチャン・ベッテルだった。5周目、4度のF1ワールドチャンピオンはブレーキトラブルに見舞われシケインで止まれず、ポリスチレン製のマーカーボードを突っ切った。かろうじてピットに戻ると、14回目のモンツァにして初めてのリタイヤを喫した。

シャルル・ルクレールは1回目のセーフティーカーの恩恵を受けて17番手から一気に6番手にまで浮上したものの、24周目に最終パラボリカの脱出の際にコントロールを失いクラッシュ。アウト側のタイヤバリアに突き刺さった。

一旦はセーフティーカーが導入されたが、タイヤバリアの修復に時間がかかるとしてレッドフラッグが振られ、レースは25分近くに渡って中断された。

この赤旗によって、ただ一人ピットストップを終えていなかった2番手ストロールがフリーストップを得る事となり、途方も無いボーナスを得て事実上のトップに立ったが、リスタート後にガスリーに交わされてしまった。

余裕の1-2のはずが…試練を与えられたメルセデス

フロントロー独占から一転、メルセデス勢はかろうじて2台が入賞圏内に食い込む結果となった。

ポールポジションのルイス・ハミルトンは難なくスタートを決め、ファステストラップを連発して後続との差を築いていったが、マグヌッセンのマシンストップに伴うセーフティーカーのタイミングで試練が王者を襲った。

ハミルトンはアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)と共に先陣を切ってタイヤ交換に動いたものの、ピットレーンが閉鎖されている状態であったため審議の対象となり、10秒のストップ・アンド・ゴー・ペナルティが科された。

隊列後方30秒近い最下位にまで転落したハミルトンだが、抜けないモンツァでオーバーテイクを重ねて7位でチェッカーを受けた。

バルテリ・ボッタスは蹴り出しが大きく遅れ、注目のオープニングラップのターン1で3番手サインツにポジションを譲った。その後もズルズルと順位を失い、最初の1周で4ポジションダウンの6位にまで後退。ボッタスは無線で「タイヤがパンクしている」と訴えたが、問題はなかったようでステイアウトした。

ハミルトンが怒涛の追い抜きを見せた一方、ボッタスはミッドフィルダー達を抜きあぐね、最終5位でチェッカーを受けた。

ウィリアムズ家、43年の歴史に終止符

数え切れないほどの勝利とタイトル、そして浮き沈みを味わってきたフランク卿とクレアにとって、この日のレースはファミリーで臨む最後のレースとなった。英国グローブの名門チームはこの日を堺に、新たなオーナーの下で次のチャプターをスタートさせる。

最後尾20番手からスタートしたニコラス・ラティフィは最初のセーフティーカーで7番手に急浮上するも、赤旗中断からのリスタート周に一気に5ポジションダウン。最終的にポイントまであと一歩の11位に留まり、チームオーナーの最終戦で有終の美を飾る事は叶わなかった。

一方のジョージ・ラッセルは、荒れるレース展開の恩恵を受けられずに辛抱のドライビングを強いられ、最終14位でヘルメットを脱いだ。

順位とタイム

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 53 1:47:06.056 25
2 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 53 +0.415s 18
3 18 ランス・ストロール レーシングポイント 53 +3.358s 15
4 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 53 +6.000s 12
5 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 53 +7.108s 10
6 3 ダニエル・リカルド ルノー 53 +8.391s 8
7 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 53 +17.245s 7
8 31 エステバン・オコン ルノー 53 +18.691s 4
9 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 53 +22.208s 2
10 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 53 +23.224s 1
11 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 53 +32.876s 0
12 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 53 +35.164s 0
13 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 53 +36.312s 0
14 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 53 +36.593s 0
15 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 53 +37.533s 0
16 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 53 +55.199s 0
NC 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 30 DNF 0
NC 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 23 DNF 0
NC 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 17 DNF 0
NC 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 6 DNF 0

コンディション

天気
晴れ
気温
27.7℃
路面温度
44.8℃

レース概要

グランプリ名
F1イタリアGP
レース種別
決勝
レース開始日時

サーキット

名称
モンツァ・サーキット
設立
1922年
全長
5793m
コーナー数
11
周回方向
時計回り

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