モンツァ・サーキットを走行する2台のメルセデスW11、2020年F1イタリアGPにてcopyright Daimler AG

最強「Strat 2」封じられるもメルセデス圧勝、フェラーリは36年ぶりに母国TOP10逃す / F1イタリアGP《予選》結果とダイジェスト

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2020 FIA-F1世界選手権8戦イタリアGPの公式予選が9月5日にモンツァ・サーキットで行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンが1分18秒887のコースレコードを樹立して通算94回目のポールポジションを獲得した。

2番手はバルテリ・ボッタス。1000分の69秒差でチームメイトにポールの座を許したが、メルセデスとしては後続にコンマ8秒という圧倒的な差をつけてのフロントロー独占という支配的な結果となった。

新たな技術指令書の発行によって、今週末より予選開始からレース終了まで単一エンジンモードの使用が義務付けられる事となった。これは、信頼性を犠牲にすることで強大なエキストラパワーを得る、いわゆる”予選モード”の禁止を意味する。

この分野で競合の追随を許さない実績を誇ってきたメルセデスは、グリッド最強とも呼ぶべき独自の「Strat 2」モード、通称「パーティーモード」を封じられた形であったが、全く意に介さない圧倒的なパフォーマンスと共に予選を締め括った。

2列目はちょっとしたサプライズだった。3番手にはマクラーレンのカルロス・サインツが続き、4番手にはレーシングポイントのセルジオ・ペレスが並んだ。サインツは「最終ラップはリスクを負った走りをした。それに見合うだけの結果が得られて嬉しい」と語った。

ホンダエンジン勢最上位はレッドブルのマックス・フェルスタッペンで、ハミルトンから0.903秒遅れの5番手だった。同じくRB16を駆ったアレックス・アルボンは9番手。ホンダとの共闘50戦目を迎える地元アルファタウリのピエール・ガスリーが10番手を刻み、ホンダは3台がトップ10にクルマを並べた。

Q3での2列目争いは大接戦となり、3番手サインツから7番手ダニエル・リカルド(ルノー)までが0.169秒という僅差に収まった。リカルドはFP3でメカニカルトラブルに見舞われたが、燃料ポンプを交換の上、無事に予選セッションに参加した。

地元スクーデリア・フェラーリは、シャルル・ルクレールが13番手、セバスチャン・ベッテルがQ1敗退の17番手に終わり、2台共が母国グランプリでトップ10を逃す厳しい結果に終わった。ホームゲームで1台もトップ10に入れ込めなかったのは36年ぶり。1984年以来初めての事となった。

午前のFP3に引き続き現地モンツァは晴れ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温28℃、路面45.5℃、湿度45.6%のドライコンディションでスタートした。

モンツァはスリップストリームによるゲインが大きいため、昨年の予選では誰もが先頭でアタックすることを嫌い、Q3最終アタックでは時間内に計測に入れずにノータイムでセッションを終えるマシンが多発した。こうした状況を防ぐために、レースコントロールは不必要な低速走行を防ぐべく、アウトラップを1分43秒以下で走行するよう指示した。

予選Q1:ベッテル敗退

エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1は、予想された通り最終パラボリカで”悪夢”のようなトラフィックが発生し、レースさながらのポジション争いが勃発。最終アタックでは数多くのマシンがタイムを更新できず、無線には憤りと不満を爆発させる怒号が飛び交った。

ベッテルは計測ラップ中に前走のニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)のオーバーテイクを強いられ、途中で計測を断念した。キミ・ライコネン(アルファロメオ)も計測中に前走エステバン・オコン(ルノー)とギャップが詰まってしまい追い抜こうとしたものの前を塞がれ、あわやクラッシュかという際どいシーンがあった。

レーススチュワードはこれらのインシデントに関与したオコン、ラティフィ、ライコネンについて、セッション後に審議を行う事を明らかにした。

計測断念組が多発した結果、1セット目のアタックを終えてノックアウトゾーンに沈んでいたロマン・グロージャン、ベッテル、アントニオ・ジョビナッツィ、ジョージ・ラッセル、ラティフィがそのまま敗退となった。

トラックリミットの厳格化のために最終パラボリカに設置されたタイミングループによって、ルクレールやケビン・マグヌッセン、ガスリー、ランス・ストロール、アルボンらが少なくとも1度、タイムを抹消された。

メルセデスの2台は唯一ミディアムタイヤでタイムを計測。1-2と並び順当に次のラウンドに駒を進めた。

ノックアウト

  • ロマン・グロージャン
  • セバスチャン・ベッテル
  • アントニオ・ジョビナッツィ
  • ジョージ・ラッセル
  • ニコラス・ラティフィ

予選Q2:ボッタス早くもコースレコード

残る15台のマシンによる第2ラウンドのQ2では、5台が消えた事で幾らかトラフィックが軽減されたものの、スリップストリームを得るために誰もが前走車がいる状態での計測を狙いに行った結果、ダーティーエアの影響かタイヤの熱入れの問題か、2セット目のランでタイムを更新できないマシンが多く発生した。

トップ通過はバルテリ・ボッタス。予選モード禁止の影響でQ2とQ3のラップタイムに大きな差は生まれず、ボッタスは早くも既存のコースレコードを塗り替える1分18秒952を叩き出した。

ノックアウト

  • ダニール・クビアト
  • エステバン・オコン
  • シャルル・ルクレール
  • キミ・ライコネン
  • ケビン・マグヌッセン

予選Q3:メルセデスが大差で最前列

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、昨年とは異なり各車早めの段階でコースへと入り計測を行う姿が見られた。

1セット目のアタックを終えて、アルボンは暫定7番手となる1分20秒079を刻んだものの、パラボリカでコース外に飛び出した事でタイムが抹消となり、ノータイム10番手に後退。最終アタックも奮わず9番手に終わった。

他者のスリップストリームなんぞ知った事かと、メルセデスの2台は”ノートウ”での計測に臨んだが、後続とのラップタイム差は0.8秒以上に達し、ハミルトンがQ2のボッタスを上回る新たなコースレコードと共にポールポジションを獲得した。

2020年 F1イタリアグランプリ決勝レースは、日本時間9月6日(日)22時10分にスタート。1周5,793mのモンツァ・サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。

順位とタイム

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:19.514 1:19.092 1:18.887 18
2 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:19.786 1:18.952 1:18.956 18
3 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 1:20.099 1:19.705 1:19.695 16
4 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 1:20.048 1:19.718 1:19.720 17
5 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:20.193 1:19.780 1:19.795 17
6 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 1:20.344 1:19.962 1:19.820 18
7 3 ダニエル・リカルド ルノー 1:20.548 1:20.031 1:19.864 16
8 18 ランス・ストロール レーシングポイント 1:20.400 1:19.924 1:20.049 19
9 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 1:21.104 1:20.064 1:20.090 19
10 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:20.145 1:19.909 1:20.177 20
11 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 1:20.307 1:20.169 14
12 31 エステバン・オコン ルノー 1:20.747 1:20.234 12
13 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:20.443 1:20.273 15
14 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 1:21.010 1:20.926 14
15 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:20.869 1:21.573 14
16 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 1:21.139 8
17 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:21.151 5
18 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 1:21.206 9
19 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:21.587 7
20 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:21.717 8

コンディション

天気
晴れ
気温
28℃
路面温度
45.5℃

セッション概要

グランプリ名
F1イタリアGP
セッション種別
予選
セッション開始日時

サーキット

名称
モンツァ・サーキット
設立
1922年
全長
5793m
コーナー数
11
周回方向
時計回り

F1イタリアGP特集