第103回インディ500の3回目のプラクティス走行が、5月16日(木)にインディアナポリス・モーター・スピードウェイ（IMS）で行われ、エド・ジョーンズが時速227.843マイル（366.678km/h）を記録。2番手に、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨が続いた。

木曜のインディアナポリスは雷雨に見舞われ、セッションが大幅に制限された。そんな中、初日・2日目と上位に顔を覗かせていたエド・カーペンター・レーシングの2台がトウなしで1-2。トウありでもジョーンズがタイムシートの最上位に立った。

「素晴らしい一日だった！」エド・ジョーンズ。「トウなしと総合の両方で最速だなんて最高さ！でも何よりも重要な事は、クルマの操作性が向上したことだ。コンディションが変化したことで、上手く走れるようになってきたが、明日と予選のトラックコンディションにも上手く対応し続けなければならない」

2017年のインディ500優勝者である佐藤琢磨は、226.699mphで総合チャート2位。スリップストリームなしでは時速224.428マイルで8番手につけた。

「クルマや天候に若干問題があったにも関わらず、非常に生産的な一日になったと思います」と佐藤琢磨。「今日は予選シミュレーションを行い、レースのセットアップ作業に取り組みました。いくつか良い部分が見つかりましたし、とても満足しています。今日の出来には大満足ですよ」

2日目に派手なクラッシュを喫したマクラーレンのフェルナンド・アロンソはノータイム。クルマの修復と準備に追われたために、コース上に一度も姿を見せなかった。電気系統のトラブルとクラッシュ、3日目はノータイム。世界三大レース全制覇に王手をかけたまでは良いものの、ウォーキングのチームとアロンソは厳しい現実に直面している。

2003年のインディ500ウィナーであり、マクラーレンのスポーティング・ディレクターを務めるジル・ド・フェランは「まだ全てが終わったわけではない」と語り、トリプルクラウン獲得に向けて全力を傾けていると主張した。

「チームには多くのベテランメンバーがいるが、我々はまだクルーとしては比較的新人だ」とド・フェラン。「それに加えて、我々はインディアナポリスに深い敬意を払っている。そのため、慎重なアプローチを取っている。我々としては、可能な限り最高の車を確実にコース上に送り出すことを優先したいと考えている」

「今日走れなかった事は、Indy500に向けてのプログラム上、大きな痛手だが、だからと言ってすべてが失われたわけではない。明日は一日を通してフルに練習走行に取り組み、予選に向けての準備を行う必要がある。問題のないクリーンな一日になる事を祈っている」

この日は、前日に予選参加資格を手にしたパトリシオ・オワードがターン2でスピンを喫し、セーファーバリアに単独クラッシュ。エアボーン気味の大きな事故であったものの幸いにも怪我はなかったが、クルマは大きなダメージを負い、コース上に復帰する事はなかった。

「ファスト・フライデー」と呼ばれる明日金曜のプラクティス4ではターボ圧がブースト。約50馬力に相当する1,000ミリバールが追加使用できるようになるため、速度の向上が見込まれている。セッションはインディアナポリス17日(金)の午前11時から午後18時に渡って行われる。