レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング30号車をドライブする佐藤琢磨copyright INDYCAR

インディカー、テキサスで遂に開幕!11年目の闘いに挑む佐藤琢磨と3連覇目指すホンダ《preview》

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による2カ月半の中断を経て、2020年のNTTインディカー・シリーズが遂に日本時間6月7日(日)の「ジェネシス300」で開幕を迎える。舞台となるのは1.5マイルオーバルのテキサス・モーター・スピードウェイだ。

今季のインディカー・シリーズは開幕を控えて更なるスケジュール変更を強いられた。12年ぶりの開催が予定されていたバージニア州リッチモンドでのオーバルと、カナダ・トロントでのストリートが新型肺炎の影響で中止され、開幕戦として予定されていたセント・ピーターズバーグでのストリートレースが10月下旬のシーズン最終戦として復活。なんとか14戦を確保した。

マシンの中身は昨シーズンまでと同じだが、その外観は大きく異なる。今シーズンのインディカーマシンのコックピットには、キャノピー型の安全装置「エアロスクリーン」が搭載される。レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズが手掛けたこのデバイスはドライバーの頭部保護を目的としたもので、全車に搭載が義務付けられている。

インディカーマシンに搭載されたエアロスクリーン
© Getty Images for INDYCAR

エアロスクリーン「経験した事ない感覚」と琢磨

1デイ圧縮…限られる練習走行

感染症対策の一環として、テキサスでのイベントは1デイ制・無観客で行われる。現地土曜正午から14時半までプラクティスが行われた後、16時からグリッドを決する予選が行われる。スタートコマンドは19時。ハイバンクオーバルでの200周(300マイル)のレースは19時5分にスタートを迎える。

レース周回数は200周(300マイル)。プラクティス、予選、決勝用に9セットのファイアストンタイヤが供給される。なおルーキー及びテキサス初参戦のドライバーには1セット余計に追加される。

テキサスモータースピードウェイにて行われた2019年のインディカー・シリーズ戦
© Indycar / Chris Owens、テキサス・モータースピードウェイ

カレンダーが凍結により唯でさえ腕と感覚が鈍っている事に加えて、予選までに許された練習走行は2時間もない。マクラーレンSPのオリバー・アスキュー(23歳)とエド・カーペンター・レーシングのリーナス・ヴィーケイ(19歳)にとっては、全く理想的とは言えないデビュー戦となる。

対照的に、ベテラン勢はアドバンテージを得るかもしれない。シリーズ最多連続出走記録を318戦に伸ばす事になるトニー・カナーン(A.J.フォイト)は勿論の事、歴代2位のスコット・ディクソン(258戦)と同3位のマルコ・アンドレッティ(234戦)にも注目が集まる。

過去にはサム・ホーニッシュ(2001年、2002年)、カナーン(2004年)、ディクソン(2008年、2015年、2018年)、ダリオ・フランキッティ(2011年)、そしてジョセフ・ニューガーデン(2019年)がテキサスを制した年にチャンピオンを獲得した。それ自体はただの統計だが、新型肺炎収束の見通しが立たない状況下での初戦という事で、今回のテキサスが少なからず選手権を占う重要な一戦となる事は疑いない。

佐藤琢磨、11年目の挑戦

佐藤琢磨にとっては11年目の挑戦が始まる。通算169戦、完走112戦、ポール・ポジション9回、リードラップ703周、そして2017年のインディ500を含めて通算5勝を挙げた日本のトップドライバーは、今シーズンもレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングからエントリーする。

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨、2020年
© Indycar / Chris Graythen (Getty Images)

「新しいシーズンが始まることに対して、とても興奮しています。私たちだけでなく、世界中のファンとメディアが長い間待っていましたからね」と佐藤琢磨。テキサスでの開幕戦に向けて豊富を語った。

「インディカーとアメリカ政府、そしてテキサス・モーター・スピードウェイとスポンサーに深く感謝します。今はどのようなビジネスにとっても非常に厳しい時期ですから、ウイルス感染に対しての安全確保もレースウイークエンドではたいへん重要です」

「昨年のテキサスではプラクティスから実力を発揮し、短い走行時間の中でレース用のセットアップと予選シミュレーションを行い、ポールを獲ることができました。今年は予選も決勝も1日で行われるので、いろいろな面から非常に難しいレースになることが予想されます。タイヤ戦略も重要ですが、すべての面に注意を払って戦う必要があると思います」

「自分たちとしては、できる限りの準備をしてレースウイークエンドに臨み、いい結果を手に入れたいです。シーズンをスタートできること自体を喜んでいますが、いいレースが戦えればもっとうれしいです」

昨年のテキサスで佐藤琢磨は、222.747mphを記録してポール・ポジションを獲得したものの、ピットストップの際にクルーを轢くアクシデントに見舞われるなどレースでは3ラップダウンの最終15位に終わり、チーム・ペンスキーのニューガーデンが優勝を飾る結果となった。それだけに、今年こそはとの期待は大きい。

2019年インディカー・シリーズ第9戦テキサス600予選でポールポジションを獲得したレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨
© Indycar / Chris Jones、2019年インディカー・シリーズ第9戦テキサス600予選でポールポジションを獲得した佐藤琢磨

佐藤琢磨が初のシリーズチャンピオンに挑戦する一方で、1994年からインディカー・シリーズに参戦し続けているホンダは今年、8人の優勝経験者、4人のインディ500王者、そして2人のシリーズチャンピオンという強力なドライバーラインアップを揃え、3年連続となるマニュファクチャラーズ・タイトルに挑む。

テレビ放送スケジュール

イベントはNBCが生中継する。日本ではCS254チャンネルのGAORA SPORTSが、日本時間7日(日)8時30分より生放送する。ゲストは天野雅彦、解説は武藤英紀、実況は村田晴郎が務める。

視聴には、スカパーひかりTVJ:COMとの契約が必要となる。

開幕戦 テキサス エントリーリスト

No. Driver
Hometown
Team
Engine
1 ジョセフ・ニューガーデン
Nashville, Tennessee
Team Penske
Chevrolet
4 チャーリー・キンボール
Camarillo, California
A.J. Foyt
Chevrolet
5 パトリシオ・オワード
Monterey, Mexico
McLaren SP
Chevrolet
7 オリバー・アスキュー
Jupiter, Florida
McLaren SP
Chevrolet
8 マーカス・エリクソン
Kumla, Sweden
Chip Ganassi
Honda
9 スコット・ディクソン
Auckland, New Zealand
Chip Ganassi
Honda
10 フェリックス・ローゼンクビスト
Värnamo, Sweden
Chip Ganassi
Honda
12 ウィル・パワー
Toowoomba, Australia
Team Penske
Chevrolet
14 トニー・カナーン
Salvador, Brazil
A.J. Foyt
Chevrolet
15 グレアム・レイホール
New Albany, Ohio
RLL Racing
Honda
18 サンティノ・フェルッチ
Woodbury, Connecticut
Dale Coyne
Honda
20 エド・カーペンター
Indianapolis, Indiana
Ed Carpenter
Chevrolet
21 リーナス・ヴィーケイ
Hoofddorp, Netherlands
Ed Carpenter
Chevrolet
22 シモン・パジェノー
Montmorillon, France
Team Penske
Chevrolet
26 ザック・ビーチ
Stockdale, Ohio
Andretti
Honda
27 アレキサンダー・ロッシ
Nevada City, California
Andretti
Honda
28 ライアン・ハンター=レイ
Fort Lauderdale, Florida
Andretti
Honda
29 ジェームズ・ヒンチクリフ
Toronto, Canada
Andretti
Honda
30 佐藤琢磨
Tokyo, Japan
RLL Racing
Honda
55 アレックス・パロウ
Barcelona, Spain
Dale Coyne
Honda
59 コナー・デイリー
Noblesville, Indiana
Carlin
Chevrolet
60 ジャック・ハーベイ
Lincoln, England
Meyer Shank
Honda
88 コルトン・ハータ
Belleair, Florida
Andretti
Honda
98 マルコ・アンドレッティ
Nazareth, Pennsylvania
Andretti
Honda

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