インディアナポリス・モーター・スピードウェイ（IMS）で2日間に渡って行われたインディ500オープンテストが終了。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング（RLL）の佐藤琢磨が最終2日目に、ジョセフ・ニューガーデン（チーム・ペンスキー）に続く総合2番手タイムを刻んだ。

テスト初日は雨に見舞われたものの、4月9日の現地インディアナポリスは晴天に恵まれ、チーム・ペンスキーのシボレー2号車を駆る2度のシリーズ王者、ニューガーデンが226.819mphのトップ・ラップを記録して2日間のテストを最速で締め括った。

昨年のインディ500ではシボレー勢が予選・決勝共にホンダ勢に対して苦戦していただけに、ニューガーデンは「トラフィックの中での走行は依然として厳しい」と語る一方で「去年と比較してレースパフォーマンスは向上するはずだ」と一定の手応えを伺わせた。

スピードチャートの上位にはインディ500ウィナーとシリーズチャンピオンがズラリと並んだ。今年3度目のインディ500制覇を目指す佐藤琢磨は226.369mphで2番手、3番手には86号車マクラーレンSPを駆る元F1ドライバーで1999年のCARTチャンピオン、ファン・パブロ・モントーヤが226.123mphで続いた。

テストを振り返った佐藤琢磨は「予期せぬ複数のトラブルが出てしまった事で、僕らにとってはかなり厳しい1日になりました」と述べ、2日目午後のセッションで約1時間を失った事を明かした。

188周というレースディスタンスに近い最多周回を刻んだマーカス・エリクソン（チップ・ガナッシ）と比べると、佐藤琢磨の60周は確かに物足りないものだった。なお最もマイレージが少なかったのはデイル・コインを駆ったルーキー、コーディー・ウェアーの58ラップだった。

ただ、チームの懸命の修復作業もあり、最終盤の20分でコースに戻ってプログラムを再開できた事には満足だとし、全体としてみれば、チームメイトのグレアム・レイホールがトウなしでトップに立ち総合5番手に付けるなど、チームとしては「本当に素晴らしい1日」になったと前向きな面を強調。次のように付け加えた。

「僕にとってはタフな1日でしたが、全体としてはポジティブですし、5月にここIMSに戻ってくるのを楽しみにしています」

RLLは2名のドライバーをトップ5に送り込んだ唯一のチームだった。

なお初日にターン1でクラッシュを喫したリーナス・ヴィーケイは指を骨折した事もあり、1週間後に控える開幕バーバーを見据えて最終日の走行を見合わせた。

2021年シーズンのインディカー・シリーズは、4月18日(日)にアラバマ州バーバー・モータースポーツ・パークで開催されるホンダ・インディGPで開幕を迎える。また、第105回インディアナポリス500マイルレースは5月30日(日)にIMSで開催される。

2021年のインディカー・シリーズは、例年通りCS放送のGAORA SPORTSで生放送される。視聴には「スカパー！」の他、ケーブルテレビの「J:COM」や光回線を使った「ひかりTV」「auひかり」なら、面倒なアンテナ設置なしでインディカーを楽しむ事もできる。

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