左からマイケル・アンドレッティ、マリオ・アンドレッティ、マルコ・アンドレッティ
Courtesy Of Indycar

え、そんなに!? F1新規参戦要請はアンドレッティのみならず、とドメニカリCEO

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F1への新規参戦を目論むのはアンドレッティ・グローバルに留まらない。F1のステファノ・ドメニカリCEOは4つ以上の複数の組織から要望が寄せられていると明かした。

F1スポーティング・レギュレーションは最大26台の参戦を認めているが、F1に新規チームが加わったのは2016年のハースが最後で、以降F1グリッドは10チーム、20台に固定されてきた。

リバティメディア体制となって以降のF1はスポーツの価値を高めるべく、2022年の新たな技術規定の導入を始めとして、ファンを中心に据えた幾つもの施策を矢継ぎ早に講じてきた。その成果は特にアメリカにおける市場拡大をもたらし、グリッドの価値は徐々に高まってきている。

このような背景の中、米国モータスポーツ界の雄、アンドレッティ・オートスポーツを率いるマイケル・アンドレッティは先月、2024年の新規参戦を目指して統括団体の国際自動車連盟(FIA)にエントリー申請を行った事を明らかにした。

だが、公にされていないだけでF1参戦を目論む団体は他にも存在するようだ。

ドメニカリはSky Sportsとのインタビューの中で「マイケル・アンドレッティだけではない。彼が誰よりも声高に叫んでいるだけで、我々の元には4、5以上の要望が寄せられており、F1に加わる追加チームを検討することにしている」と語った。

ただし、アンドレッティを含めて参戦を目指す組織の前に立ちはだかる壁はかなり高そうだ。

チームが増えると放送権料やグランプリ開催権料などを原資とするチームへの分配金が減少する事になるため、アンドレッティ・グローバルの参戦はマクラーレンやアルピーヌの除く多くの既存チームから歓迎されていない。

ドメニカリは「正直に言うと、10チームを抱える今のF1はレース的な面での競争もあり、非常に堅実だ。他のチームを加えるとなると複雑な要素を考慮する必要がある。故に正直なところ、(新規チームは)F1の成長を考える上で最も重要な要素だとは考えていない」と述べ、新規チームの評価は優先順位が低いテーマだと説明した。

そして「結局のところ、2人のドライバーと2つのチームが競い合った事で(F1への)関心は頂点に達した」と付け加え、F1の市場拡大に際して最も重要な要素は昨シーズンのような熾烈かつセンセーショナルなタイトル争いだと指摘した。

最終戦の最終ラップにまでもつれ込んだ昨シーズンのルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンのチャンピオン争いは、71年に渡るF1の歴史の中でも最も刺激的かつ過激なものだった。

ドメニカリは具体的な名前を明かさなかったが、近年ではアンドレッティの他にパンテーラ・チーム・アジア(Panthera Team Asia)やモナコF1レーシングチーム(Monaco F1 Racing Team)がF1参戦に対する意思を表明している。