2018年F1シンガポールGPに姿を見せたセバスチャン・ブエミ
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トロロッソ・ホンダでのF1復帰の可能性を否定しないブエミ、疑問を投げかけるレッドブル代表

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先日トロロッソ・ホンダのシート合わせを行う様子が画像で拡散し、突如シリーシーズンの話題の中心に躍り出たセバスチャン・ブエミだが、来シーズンのF1復帰の可能性はかなり乏しいようだ。

レッドブル育成ドライバーとしてキャリアを積んできた29歳のスイス人ドライバーは、2009年にトロロッソからF1デビューを果たし、出走55回で通算29ポイントを獲得。チームを放出された後の2012年、WEC世界耐久選手権のLMP1クラスにトヨタから参戦し、14年のドライバータイトルを獲得。2014年からはフォーミュラEにも平行参戦し、2015-2016シーズンにチャンピオンを獲得するなど、幅広いトップカテゴリで実績を積んでいる。

ブエミは現在トロロッソとレッドブルの両チームのリザーブドライバーを務めており、不測の事態に備えてF1シンガポールGPに帯同。ダニエル・リカルドかマックス・フェルスタッペン、あるいはピエール・ガスリーかブレンドン・ハートレーのいずれかに出走できない事情が発生した場合には、代役としてマシンを駆る事になる。

2018年のルマン24時間レース優勝を喜ぶトヨタの中嶋一貴、フェルナンド・アロンソ、セバスチャン・ブエミ
© Toyota Motorsport GmbH、ル・マン24時間レースでの優勝を中嶋一貴とアロンソと共に喜ぶブエミ

噂の真相について英Skyのインタビューに応えたブエミは、シンガポールに訪れたのはあくまでもリザーブドライバーとして役割を果たすためだと主張する。

「僕はレッドブルとトロロッソのリザーブドライバーなんだ。今週末、シンガポールに来たのはそれが理由だよ。いつもはシミュレーターに座って仕事をするんだけど、今週末はここに来たんだ」

SNS上で話題を集めたシート合わせの真相について問われると「チームからの指示に基づいてやるべき事をやってるだけさ。彼らが望んだからシート合わせをしたまでだよ。誰かに不測の事態が起これば、僕用のシートが必要だからね」と返した。

トロロッソ・ホンダでのF1復帰の可能性はあるのだろうか?ブエミは否定も肯定もしないものの、既に他のシリーズの予定が確定しており、F1参戦のためにはこれらをキャンセルする必要がある事を仄めかした。

「WECとフォーミュラEでの僕のプランは既に決定してるんだ。この世界では何だって起こりうるわけだけど、僕としてはリザーブドライバーの役割に集中しているだけさ。そのうち分かるよ」

レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、ブエミの復帰に疑問を投げかけている。その最たる理由は、ドライバーとしてのブエミの資質ではなく、既に契約が為されている他のレースシリーズの存在だという。

「彼はフェルナンド・アロンソと共に今年のル・マン24時間レースを制し、素晴らしい仕事をした。それにフォーミュラEではチャンピオンにも輝いている。だが、向こう3年間に渡って彼にはリザーブドライバーの仕事が決定しており、その他の活動を踏まえた上で予定を組んでいるんだ」

「個人的には、F1への復帰は彼の計画には含まれていないんじゃないかと思う。彼にはフォーミュラEとルマンの予定があるわけだからね。もしフォーミュラ1にカムバックするのであれば、(契約変更に際して関係各所に支払う事になる)大金が必要になるだろうしね」

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