
ホンダ、セナのF1エンジン部品を今夏販売─新事業を正式開始…インディカーや2輪への対象拡大も視野
ホンダのモータースポーツ部門、HRC(株式会社ホンダ・レーシング)はF1日本GPを週末に控えた2025年4月2日、「F1メモラビリア事業」を正式に立ち上げたことを明らかにした。ファンにとっては、時代を超えて語り継がれる名勝負の記憶を自宅に置くまたとない機会となる。
第一弾として、今夏にアメリカ・カリフォルニア州モントレー半島で開催される「モントレー・カーウィーク」にて、1990年のF1チャンピオンエンジン「Honda RA100E」のパーツが販売される。
Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd
マクラーレン・ホンダの1989年型F1マシン「MP4/5」
HRCは先月、新たにメモラビリア事業を検討していることを明らかにした。実際のレースで使用されたF1エンジンのパーツや直筆サイン入りグッズ、限定コレクターズアイテム、そしてホンダの栄光に彩られたモータースポーツ史における希少なアーティファクトなどを販売するもので、ホンダとHRCのレースブランド価値をさらに高める狙いがある。
セナとベルガーの“勝利の証”があなたの自宅に
記念すべき事業第一弾として、1990年のF1シーズンでアイルトン・セナとゲルハルト・ベルガーがドライブしたマクラーレン・ホンダMP4/5Bに搭載されたRA100E型エンジンの部品が販売される。このエンジンは、セナがワールドチャンピオンに輝いた伝説のパワーユニットであり、今回提供されるのはその内部構成部品──カムシャフト、ピストン、コンロッド、ヘッドカバーなどだ。
Courtesy Of Honda Motor Europe Ltd.
HRC(株式会社ホンダ・レーシング)のメモラビリア事業で販売される1990年型マクラーレン・ホンダMP4・5Bに搭載されたRA100E型エンジンパーツ
Courtesy Of Honda Motor Europe Ltd.
HRC(株式会社ホンダ・レーシング)のメモラビリア事業で販売される1990年型マクラーレン・ホンダMP4・5Bに搭載されたRA100E型エンジンのピストン、コンロッド、ピストンリング、ヘッドガスケット
部品はHRCの栃木県さくら市にあるHRCファクトリーで、当時の開発に携わった熟練メカニックの手で丁寧に分解・整備され、専用ケースに収められて販売される。それぞれにHRC発行の真贋証明書が付属する。
これらのアイテムは、今夏アメリカ・カリフォルニア州で開催される「モントレー・カー・ウィーク」にて初公開・販売される予定。F1ファンにとっては、ホンダの栄光の歴史を手元に置く貴重な機会となる。
Courtesy Of Honda Motor Europe Ltd.
HRC(株式会社ホンダ・レーシング)のメモラビリア事業で販売される1990年型マクラーレン・ホンダMP4・5Bに搭載されたRA100E型エンジンのスロットルボディ、インジェクター、ファンネル
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HRC(株式会社ホンダ・レーシング)のメモラビリア事業で販売される1990年型マクラーレン・ホンダMP4・5Bに搭載されたRA100E型エンジンのカムシャフト
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HRC(株式会社ホンダ・レーシング)のメモラビリア事業で販売される1990年型マクラーレン・ホンダMP4・5Bに搭載されたRA100E型エンジンのヘッドカバー (2)
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HRC(株式会社ホンダ・レーシング)のメモラビリア事業で販売される1990年型マクラーレン・ホンダMP4・5Bに搭載されたRA100E型エンジンのエンジンブロック
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HRC(株式会社ホンダ・レーシング)のメモラビリア事業で販売される1990年型マクラーレン・ホンダMP4・5Bに搭載されたRA100E型エンジンのヘッドカバー (1)
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HRC(株式会社ホンダ・レーシング)のメモラビリア事業で販売される1990年型マクラーレン・ホンダMP4・5Bに搭載されたRA100E型エンジンのピストンとコネクティングロッド (1)
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HRC(株式会社ホンダ・レーシング)のメモラビリア事業で販売される1990年型マクラーレン・ホンダMP4・5Bに搭載されたRA100E型エンジンのピストンとコンロッド
メモラビリア事業で販売されるパーツは、栃木県のモビリティリゾートもてぎ内「ホンダコレクションホール」、および三重県の鈴鹿サーキット内「ホンダレーシングギャラリー」に所蔵されている歴代マシンの保存を損なわない範囲で選定される。
両施設では、展示車両を単なるオブジェではなく、実際に走行可能な状態で維持する「動態保存」を行っている。そのためホンダは、過去のF1マシンに搭載された複数のスペアエンジンや部品を所蔵しており、これらのうち動態保存に影響を与えないものを販売する方針だ。
インディカーやモーターサイクルへの対象拡大を視野
HRCでは今後、インディカーや歴代のレーシングバイクを対象にしたメモラビリア展開も計画しており、個人向け販売やオークション出品を予定している。
HRCの渡辺康治代表取締役社長は「F1、MotoGPをはじめとする様々なレースを愛するファンの皆さまに、 Honda が1950年代から続けてきたレースへの果敢なチャレンジの歴史の一部を分かち合えるような、価値ある事業にしていきたいと考えています。 一過性の取り組みではなく、継続的なビジネスとして育てていくつもりです」と述べた。