
蘇る日本車F1初勝利―ホンダRA272、60年の時を経て2025年F1メキシコGP走行へ
2025年10月に開催されるF1第20戦メキシコGPで、かつて伝説を打ち立てた「RA272」が蘇る。1965年にホンダがF1で初勝利を飾ったメキシコGP。同じ地で、60年の時を経て、あの歴史的マシンが再びメキシコシティの名門コースに登場する。
ホンダRA272は、日本のF1史において極めて象徴的な存在だ。搭載された1.5リッターV12エンジンは、当時としては破格の240馬力を発揮し、1965年10月24日の決勝では、リッチー・ギンサーが全周回をリードしてチェッカーを受けた。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
1965年型1.5リッターV12エンジンを積むホンダF1初優勝を飾った「RA272」
日本製マシンとしてF1で初めて優勝を果たしたこの快挙は、今なおモータースポーツの歴史に燦然と輝く。
そんなRA272が再び脚光を浴びる舞台となるのは、2025年10月24〜26日に開催されるF1メキシコGP。会場は、1965年当時と同じエルマノス・ロドリゲス・サーキットだ。ホンダはこの60周年の節目を記念し、RA272のデモンストレーション走行を実施する。
ステアリングを握るドライバーについては現時点で明かされていないが、今年1月には元F1ドライバーでインディ500覇者でもある佐藤琢磨がRA272をドライブ。往年のV12サウンドを響かせ、観客を魅了した。
また、今年4月のF1日本GPでは、ホンダ製F1パワーユニットを搭載するレッドブル・レーシングが、RA272へのオマージュとして特別なホワイトリバリーを「RB21」に採用。白地に赤のアクセントという、純日本的な美しさを湛えるマシンを駆り、角田裕毅が念願のレッドブル・レーシング初陣に臨んだ。
予選アタックに向けてガレージを離れる準備をする角田裕毅(レッドブル・レーシング)とクルー、2025年4月5日(土) F1日本GP(鈴鹿サーキット)