
角田裕毅「今、好調です」レッドブル”電撃昇格報道”も迷いなし
2025年FIA F1世界選手権第2戦中国GPを終えて、次戦日本GPでのレッドブル昇格の噂が渦巻く中、レーシング・ブルズの角田裕毅は「僕は今、好調です」と語り、自信をにじませた。
開幕2戦を終えて不振脱却の糸口が見えないリアム・ローソンに代わり、角田が鈴鹿日本GPでマックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてレッドブルに”電撃昇格”する可能性が取り沙汰されている。
昨年12月、レッドブルはセルジオ・ペレスの後任にローソンを指名した。これは「リスク」を承知の上での決定だった。
過去にもピエール・ガスリーやアレックス・アルボンといった若手ドライバーを早期に起用し、フェルスタッペンとのギャップを埋められずにドライバーを次々と交代してきた前例がある。
チーム代表のクリスチャン・ホーナーは当時、ローソンも同じ道を辿る「危険」があると認めていたが、同時に「プレッシャーに対処できる異なるキャラクターの持ち主だ」と主張していた。
だが開幕2戦を終えた今、その“悪夢の再来”が現実味を帯びている。レッドブルはすでに交代を検討せざるを得ない状況にある。
ローソンは開幕オーストラリアGPと中国GPの両方で予選最下位に沈み、決勝でもポイント獲得に遠く及ばなかった。対照的に、角田は一貫して中団最上位を争っており、そのパフォーマンスがチーム内外で高く評価されている。
RacingNews365によると、中国GPを経て角田はローソンの苦戦について、「RB21は運転したことがないので、分かりません」とした上で、昨年末のポストシーズンテストでレッドブル「RB20」をドライブした経験に触れ、次のように続けた。
「アブダビでテストした時は、マックス(フェルスタッペン)と一緒に走っていないので、彼とのペース差は分かりません。ですが、特に違和感はありませんでした。ドライバーとしては当然いつだって、マシンに応じた走り方を求められるものだと思いますが、僕は今、好調です」
レッドブルのマシンは、入力に対する反応があまりに鋭すぎるとされる。かつてドライブしたアルボンの言葉を借りれば「パソコンのマウス感度を最大に設定したようなもの」であり、乗り手を選ぶ傾向がある。
だが角田は先日、レッドブルへの昇格について問われた際にも「100%準備はできています」と語り、臆することなく自信を見せていた。
とは言え、現時点でレッドブルは何も決定を下しておらず、角田はレーシング・ブルズの一員として、次戦日本GPに臨む準備を進めている。昨年は地元鈴鹿で自身初の母国ポイント獲得を果たしており、今年もその再現を目指すことになる。
「もちろん、鈴鹿はこれまでとは特性の違うサーキットなので、何が起きるか分かりませんが、僕らのクルマはベースラインのペースが良いので楽しみです。しっかり準備をして、またポイントが取れればと思っています」と語り、地元ファンの前での活躍に意欲を見せた。
レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、中国GP終了後、英国ミルトンキーンズの本拠地でチーム首脳陣による会合を予定していると明かしている。ローソンの現状に加え、チームのドライバー戦略全体が議題に上がる見通しだ。