予選トップ3に並んだマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、セルジオ・ペレス(レッドブル)、2022年7月23日F1フランスGP
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サインツ献身の連携技でルクレールがポール! 角田裕毅は4戦ぶりトップ8と大健闘 / F1フランスGP《予選》結果とダイジェスト

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2022年シーズンのFIA-F1世界選手権12戦フランスGPの公式予選が7月23日にポール・リカール・サーキットで行われ、スクーデリア・フェラーリのチームプレーによってシャルル・ルクレールが今季7回目のポールポジションを獲得した。

エンジン交換ペナルティで最後尾スタートが決まっているカルロス・サインツは、本来であれば予選出走の必要すらなかったもののQ3にまで進み、ミストラルストレート後半からシーニュ(ターン10)に掛けてチームメイトにトウを与えた。

牽引による恩恵を受けたルクレールは、最終的に2番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に対し0.304秒もの大差を築いた。ルクレールは予選を終えて「カルロスがいなければ大接戦になっていたはずだ。本当に感謝してる」と語った。

とは言えRB18のトップスピードは変わらず強烈で、セルジオ・ペレスがフリー走行での遅れを挽回して3番手に返り咲いた事もあり、決勝では戦略面を含めてレッドブルが優位な立場にある。

フェルスタッペンは「僕らのクルマはレース向きだし、ストレートで速いから明日はそれを活かしていきたい」と前向きだ。

予選を終えてパルクフェルメで話し込むレッドブルのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス、2022年7月23日F1フランスGP予選Courtesy Of Red Bull Content Pool

予選を終えてパルクフェルメで話し込むレッドブルのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス、2022年7月23日F1フランスGP予選

トップ3の後方にはメルセデスが続くも、4番手ルイス・ハミルトンと6番手ジョージ・ラッセルとの間にはランド・ノリス(マクラーレン)が割って入った。メルセデスはFP3を経て、ハミルトンが試していたハイダウンフォース仕様のリアウィングを放棄し、2台でローダウンフォース・セットアップを選択した。

待望のアップグレードを投じたアルファタウリ勢は、ピエール・ガスリーが不名誉な母国Q1敗退を喫した一方、角田裕毅はアゼルバイジャンGP以来、4戦ぶりにQ3に駒を進め、7番手フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)に続く今季ベストタイの8番手を獲得した。

9・10番手にはサインツとケビン・マグヌッセン(ハース)が並んだが、両者ともにエンジン交換ペナルティによって決勝は最後尾からのスタートとなる。

ポール・リカール・サーキットでアルファタウリAT03を駆る角田裕毅、2022年7月23日F1フランスGP予選Courtesy Of Red Bull Content Pool

ポール・リカール・サーキットでアルファタウリAT03を駆る角田裕毅、2022年7月23日F1フランスGP予選

予選Q1:母国ガスリー、まさかの敗退

FP3に引き続き現地ル・カステレは晴れ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温30.6℃、路面55.9℃、湿度46%、気圧968hPaのドライコンディションでスタートした。

公式タイヤサプライヤーのピレリは、ハード(白色)にC2、ミディアム(黄色)にC3、ソフト(赤色)にC4コンパウンドを持ち込んだ。

1セット目の計測を終えて、周冠宇、ミック・シューマッハ、ニコラス・ラティフィ、セバスチャン・ベッテルがノックアウト・ゾーンに沈んだ。懸念通りセクター3にはトラフィックが発生。複数台が妥協を余儀なくされた。

最終の計測ラップではアルボンがミストラルストレートの中間に設けられたシケインでスピン。一時期旗が振られたため、ハミルトンを含む複数台がアクセルを戻す事を余儀なくされた。

シューマッハはタイムを大幅に更新して11番手に浮上したものの、ターン3でのトラック・リミットによりタイムが抹消され19番手でノックアウトした。これによりアルボンが15番手ギリギリでQ2にコマを進めた。

最後尾スタートが確定している僚友マグヌッセンは、1アタックながらも6番手タイムをマークした。

11番手のベッテルから17番手ランス・ストロールまでは僅か0.154秒という大接戦となった。ガスリーとストロールは全くの同タイムで、15番手突破を果たしたアルボンに1000の16秒及ばなかった。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:31.727 5
2 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:31.891 + 0.164 5
3 カルロス・サインツ フェラーリ 1:32.297 + 0.570 3
4 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:32.354 + 0.627 8
5 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:32.672 + 0.945 3
6 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:32.756 + 1.029 3
7 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:32.819 + 1.092 5
8 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:33.034 + 1.307 7
9 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:33.041 + 1.314 5
10 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:33.109 + 1.382 6
11 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:33.285 + 1.558 9
12 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:33.346 + 1.619 6
13 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:33.394 + 1.667 8
14 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:33.404 + 1.677 6
15 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:33.423 + 1.696 5
16 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:33.439 + 1.712 7
17 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:33.439 + 1.712 9
18 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:33.674 + 1.947 8
19 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:33.701 + 1.974 9
20 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:33.794 + 2.067 6

予選Q2:角田裕毅、Q3へ

レッドブル勢とマクラーレン勢、アロンソとベッテルは新品タイヤを選択。他は中古タイヤで1セット目の計測ラップを走った。

角田裕毅は15番手と、ベッテル、ラッセル、オコン、アルボンと並んでノックアウトゾーンに沈んだが、新品に履き替えて臨んだ最終アタックで大幅にタイムを更新。10番手でQ3進出を果たした。

リカルドは1000分の82秒差で、母国レースのオコンはコンマ2秒差でQ3を逃した。

エンジン降格組の2名も再び全力で計測ラップを走り、サインツはレッドブル勢にコンマ9秒差のトップタイムを記録。マグヌッセンも8番手をマークして揃ってQ3に駒を進めた。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 カルロス・サインツ フェラーリ 1:31.081 6
2 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:31.216 + 0.135 11
3 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:31.990 + 0.909 8
4 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:32.120 + 1.039 14
5 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:32.274 + 1.193 13
6 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:32.631 + 1.550 11
7 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:32.633 + 1.552 14
8 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:32.649 + 1.568 9
9 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:32.777 + 1.696 8
10 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:32.836 + 1.755 14
11 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:32.922 + 1.841 12
12 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:33.048 + 1.967 12
13 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:33.052 + 1.971 13
14 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:33.276 + 2.195 15
15 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:33.307 + 2.226 11

予選Q3:フェラーリ、チームプレーでポールを奪取

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3ではサインツがルクレールを牽引。チームプレーでポールポジションをもぎ取った。

マグヌッセンは結局、ラップを走らずセッションを終えた。エンジンを含むマイレージを消費してまでQ3にまで駒を進めた理由は不明だ。

2022年F1フランスグランプリ決勝レースは日本時間7月24日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5842mのポール・リカール・サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。

ポール・リカール・サーキットでフェラーリF1-75を駆るシャルル・ルクレール、2022年7月23日F1フランスGPCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ポール・リカール・サーキットでフェラーリF1-75を駆るシャルル・ルクレール、2022年7月23日F1フランスGP

2022年F1第12戦フランスGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:31.727 1:31.216 1:30.872 17
2 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:31.891 1:31.990 1:31.176 14
3 11 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:32.354 1:32.120 1:31.335 20
4 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:33.041 1:32.274 1:31.765 19
5 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:32.672 1:32.777 1:32.032 14
6 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:33.109 1:32.633 1:32.131 20
7 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:32.819 1:32.631 1:32.552 17
8 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:33.394 1:32.836 1:32.780 20
9 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:32.297 1:31.081 DNF 10
10 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:32.756 1:32.649 9
11 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:33.404 1:32.922 12
12 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:33.346 1:33.048 12
13 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:33.034 1:33.052 13
14 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:33.285 1:33.276 15
15 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:33.423 1:33.307 11
16 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:33.439 7
17 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:33.439 9
18 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:33.674 8
19 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:33.701 9
20 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:33.794 6

コンディション

天気晴れ
気温30.6℃
路面温度55.9℃

セッション概要

グランプリ名 F1フランスGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ポール・リカール・サーキット
設立 1970年
全長 5842m
コーナー数 15
周回方向 時計回り

F1フランスGP特集