
フェラーリ、ルクレールの予選を「犠牲」に―バスール明かす
SF-25がシーズンを通してシングルラップより決勝で安定した強さを発揮していることを背景に、フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールは、シャルル・ルクレールの予選を「犠牲」にし、決勝を重視した戦略を採用したと明かした。
2025年F1第9戦スペインGPの公式予選でルクレールは、Q3の1回目のアタック終了時点で4番手につけていたものの、2回目のアタックには出ず、最終的に7番グリッドからのスタートとなった。
「今回はシャルルとともに最初から“レースに集中する”という方針で臨んだ。明日のために新品のミディアムを2セット、ソフトを1セット温存した。その結果、予選で使えるタイヤが限られたんだ」とバスールは説明した。
この戦略により、ルクレールはQ3で1回のみのアタックを強いられたが、バスールはその結果に満足している様子だった。
「つまり我々にはQ3で1回のチャンスしかなかったということだ。彼が最初のスティントで記録したタイムは素晴らしかった。4番手につけ、マックス(フェルスタッペン)の前に出たのだからね。そういう意味で満足している」
ルクレールも「予選に入る時点でソフトが4セットしかなかったのは、たぶん僕らだけだったと思う。その時点ですでに難しい状況だった」と振り返り、実際に予選で妥協を強いられたと認めた。
バスールは戦略におけるトレードオフについても言及した。
「こうした選択には当然、メリットとデメリットがある。今回は予選を多少犠牲にしてでも、決勝に懸けた。気温が高く、デグラデーションが大きくなることが予想される中、この判断は正しかったと信じている」
厳しい予選を経たルクレールは、決勝での巻き返しに自信をのぞかせた。
「確かに予選は厳しかったけど、仕方ない。明日、このタイヤ戦略がうまく機能してくれればと思っている。僕らは他のチームよりも多くの新品タイヤを持っているからね」
2025年F1スペインGP予選では、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手にランド・ノリスが続き、マクラーレンが最前列を独占した。3番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続いた。
決勝レースは日本時間6月1日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,657mのカタロニア・サーキットを66周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。