
無制限? F1、2025年にギアボックス規定を撤廃へ―お役御免
F1の競技規則が改定され、ギアボックスの使用制限が撤廃される見通しとなった。統括団体である国際自動車連盟(FIA)は2月18日、2025年の最初のF1コミッションにおいて、このルールの撤廃を決定した。
ギアボックスの使用制限は、コスト削減と耐久性向上を目的として2000年代に導入された。2021年以前は、6戦連続での使用が義務付けられていたが、2022年以降は「ギアボックス・ケースおよびカセット」と「駆動部品、ギアチェンジ、補助部品」の2種類に細分化され、それぞれに年間上限基数が設定された。
違反した場合、5グリッド降格ペナルティが科されるが、”6戦連続時代”には例外として、前戦をリタイヤで終えた場合は降格なしでの交換が認められていた。このため、リザルトが振るわなくなると判断したチームが意図的にリタイヤを選択し、新品のギアボックスを確保するという”裏技”が存在していた。
しかし、近年の技術進歩によりギアボックスの信頼性が向上したことから、この制限はもはや不要と判断された。
この改定により、チームは信頼性を気にせずギアボックスを運用できるようになるが、F1にはコストキャップが適用されているため、無制限に交換することは現実的ではない。
なお、この変更はFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)の承認を受ける必要がある。