ポルシェ8世代目新型911 リア
Courtesy Of Porsche AG

F1次世代PU会議、新規参入目指すポルシェとアウディ含めて「建設的な議論」交わす

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F1と国際自動車連盟(FIA)は6月3日(土)にオーストリアで行われた次世代パワーユニット会議を終えて、新規参入候補を含めて行われた話し合いは「非常に建設的」に終わったと発表した。

複雑奇怪にして高価なエネルギー回収システム、MGU-Hを排除しようという動きこそ一時的に見られたものの、現行の1.6リッターV6ハイブリッド・ターボエンジンは2014年に導入されて以降、一度も変更されていない。

次世代パワーユニットの導入が予定されているのは2025年で、F1は「持続可能性」「持続可能な燃料」「パワフルかつ感動的」「大幅なコスト削減」「新規メーカーの参入を促す魅力」という5つの方向性を掲げている。

これまでの流れを見る限り、ICE(内燃エンジン)を含む現行とほぼ同じPUアーキテクチャが継続される可能性が極めて高いものの、全ては白紙のままだ。

こうした状況の中、F1とその統括団体は第9戦オーストリアGP予選が行われた土曜のレッドブル・リンクでメルセデス、フェラーリ、ルノーの既存PUサプライヤーの他、新規参入を目指すポルシェ及びアウディ、そして2022年よりホンダに代わって新たなPUサプライヤーとなるレッドブルの代表者を交えて会談を行った。

F1とFIAは会談を終えて次の共同声明を発表し、話し合いが「非常に建設的」であった事を強調した。

「F1パワーユニットの次の段階に関して、現行パワーユニットサプライヤー及び新しいパワーユニットサプライヤーの候補者全員との非常に前向きな話し合いが本日行われた」

「議論は今後数週間に渡って続けられ、その後、更なるニュースが発表される事になる」

会談の前段階からポルシェとアウディが明らかにしていたように、本会談への参加はF1への新規参戦発表が近づいている事を意味するものではなく、共同声明の中でも2025年からの新たなメーカーの参入についての言及はなかった。

アウディは2026年以降に世界市場に投入する全ての乗用車をEVのみとする方針を示しており、ICEに関しては2033年までに生産廃止とする計画だが、ポルシェの方は合成燃料に着目しており、2025年以降もICEを含む現行とほぼ同じPUアーキテクチャを継続したいとするF1側の思惑と一致している。

パワーユニットに関するF1のカーボンニュートラル戦略の主軸は新燃料に置かれている。

これは動植物などの生物資源から作り出されるバイオ燃料や、再生可能エネルギー源(太陽光・風力・地熱・水力・バイオマス発電等)を元にした合成燃料(e-fuel)を用いる事で二酸化炭素の総排出量削減を目指すもので、ICEの継続を前提としている。

具体的な研究開発も進められている。FIAは昨年12月、評価用として非食用植物と木質系バイオマスから合成したバイオエタノール燃料を開発するなどして次世代燃料の評価を実施した。

つまり最終的にポルシェとアウディ含むワーゲングループが参入するか否かは、2025年以降のPUレギュレーションにおける新燃料の扱いによりけりと見られているわけだが、新たにPUサプライヤーとなるレッドブルが唯一の非自動車メーカーである事から、これまでとは異なる方向に議論が振れる可能性もあるだけに、今回の会談、そして以降の議論が注目される。

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