
F1モナコGP 決勝直前情報: タイヤ戦略考と天気、ペナ適用後のグリッド―角田のレッドブル含む3チームの”枷”
日本時間5月25日(日)22時にスタートを迎える2025年F1第8戦モナコGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動、予想されるタイヤ戦略と気象条件について見ていこう。
スターティンググリッド
予選4番手のルイス・ハミルトン(フェラーリ)、17番手のオリバー・ベアマン(ハース)、そして19番手のランス・ストロール(アストンマーチン)にそれぞれグリッド降格処分が科されたことで、予選結果と決勝のスターティンググリッドには差異が生じることとなった。
それでも最前列の並びに変更はなく、ランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションに、地元出身のシャルル・ルクレール(フェラーリ)が2番グリッドに着く。
角田裕毅(レッドブル)は12番グリッドからのスタートとなり、ポイント獲得に向けては、前を走るウィリアムズの2台を攻略することが求められる。
以下は暫定スターティンググリッド。正式版との差異が発生した場合は更新される。なお、各ドライバーの予選結果からの変動も併せて記載する。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | L.ノリス | マクラーレン | 1(-) |
2 | C.ルクレール | フェラーリ | 2(-) |
3 | O.ピアストリ | マクラーレン | 3(-) |
4 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 5(+1) |
5 | I.ハジャー | レーシングブルズ | 6(+1) |
6 | F.アロンソ | アストンマーチン | 7(+1) |
7 | L.ハミルトン | フェラーリ | 4(-3) |
8 | E.オコン | ハース | 8(-) |
9 | L.ローソン | レーシングブルズ | 9(-) |
10 | A.アルボン | ウィリアムズ | 10(-) |
11 | C.サインツ | ウィリアムズ | 11(-) |
12 | 角田裕毅 | レッドブル | 12(-) |
13 | N.ヒュルケンベルグ | ザウバー | 13(-) |
14 | G.ラッセル | メルセデス | 14(-) |
15 | A.K.アントネッリ | メルセデス | 15(-) |
16 | G.ボルトレート | ザウバー | 16(-) |
17 | P.ガスリー | アルピーヌ | 18(+1) |
18 | F.コラピント | アルピーヌ | 20(+2) |
19 | L.ストロール | アストンマーチン | 19(-) |
20 | O.ベアマン | ハース | 17(-3) |
レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。
最速タイヤ戦略は…なし!
通常であれば、ピレリがシミュレーションに基づいて提示する「理論上の最速タイヤ戦略」が存在するが、今回はその提示がない。3セットのタイヤ使用義務が導入されたことで、戦略的選択肢が爆発的に増加し、単一の“最速解”を定めることが事実上不可能になったためだ。
ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは、「明日の戦略を予測するのは、ほぼ不可能だ。なぜなら、どんな組み合わせも起こり得るからだ」と語り、ピットストップのタイミングに関しては「理論上ほぼ無限のパターンが存在する」と述べ、今回は例外的に戦略予測の提示を見送った。
したがって、タイヤ以外の観点から戦略を読み解きたい場合は、別途「F1モナコ戦略迷宮 ― 新タイヤ規定の“真の恐ろしさ”とは? 常識を壊し『カオス』を呼ぶ2ストップ義務」を参照してほしい。
ただし、ひとつ確かなことがある。それは、角田を擁するレッドブル、レーシング・ブルズ、そしてザウバーの3チーム計6名のドライバーは、決勝レースで必ずC6(ソフトタイヤ)を使用しなければならないということだ。
これらのチームは、C5(ミディアム)とC4(ハード)をそれぞれ1セットのみ温存する戦略を選択した。そのため、3セットのタイヤ使用義務を満たすには、C6を履く必要がある。仮にC6を使用せずにレースを完走した場合、失格処分が科されることになる。
気になる天候は…?
今回導入されるモナコ限定のタイヤルールは、スリックタイヤだけでなく、雨天時にインターミディエイトやフルウェットといったレインタイヤを使用する場合にも適用される。
とはいえ、天気予報では降水確率はゼロ。絶好のレース日和が予想されており、少なくとも執筆現時点では、ドライコンディションでのレースとなるのはほぼ確実な情勢だ。