F1、エンジンペナルティの強化を検討…戦略的交換抑止へ

ホンダが2019年シーズンのFIA-F1世界選手権に投入し、レッドブル・レーシングとスクーデリア・トロロッソが搭載したパワーユニット「RA619H」、2021年3月22日撮影 (1)Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

戦略的なパワーユニット交換を防ぐべく、F1はエンジンペナルティの強化に乗り出した。2回目以降の上限違反の際の罰則が軽減されている事で、抑止力として機能していないという判断だ。

パワーユニットの使用制限は2018年にコスト削減のために導入された。パワーユニットを構成する7つのコンポーネントは年間の上限基数が設定されており、これを超える交換を行うとグリッド降格ペナルティが科される仕組みだ。

ただし、違反を繰り返した場合には降格数が軽減される。例えばターボチャージャーが年間の割り当てを初めて超過した場合は10グリッド降格ペナルティとなるが、次に交換を行った場合は5グリッドとなる。

つまり初犯よりも再犯の方が刑罰が軽いという、一般社会の常識とは異なるルールとなっているわけだが、例えば新品のICE(内燃エンジン)はパワーアドバンテージが高いため、チームにとって2回目以降の違反のハードルが低い状況がある。

これは特に、昨年のメルセデスがシーズン後半に頻繁に採った手法だった。5グリッド降格によるダメージよりも新品エンジンのアドバンテージが勝るために生じた。

こうした状況を受け、18日(木)にアブダビで行われたF1コミッションで将来的なエンジンペナルティの強化が議題に上がった。FIAは「部品コストの上昇を招き、PUエレメントの年次制限を根幹から揺さぶる」として、今後検討を進めていくとしている。

F1アブダビGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了