スプリントレースのスタートを前に角田裕毅の22号車VCARB 01のタイヤウォーマーを外すRBのメカニック、2024年4月20日(土) F1中国GP(上海インターナショナル・サーキット)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1中国GP決勝:タイヤ戦略考と天気・グリッド、”攻め”の選択で場をかき乱すのは誰か?

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日本時間4月21日(土)16時にスタートを迎える2024年シーズンのF1第5戦中国GP決勝のスターティング・グリッドが発表された。スプリント予選結果からの変動および、予想されるスタートタイヤ戦略、天気を見ていこう。

2024年F1中国GP決勝グリッド

広範な議論を経てアストンマーチンの異議申立は棄却されたが、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)がパルクフェルメ規定違反でピットレーンスタートとなった。

ただし予選20番手であるため、実質的には予選結果とグリッドに相違はない。

ポールポジションに着くのはマックス・フェルスタッペン。最前列2番グリッドにはレッドブルのチームメイト、セルジオ・ペレスが並ぶ。

「何らかの変更」なくして入賞争いは「かなり非現実的」だとする角田裕毅(RB)は最後列19番グリッドからレースに臨む。ピットレーン・スタート覚悟のセットアップ変更はあるだろうか。

スプリント直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。予選順位との変動値を合わせて記す。

Pos No Driver Team Qualifying
1 1 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1(-)
2 11 S.ペレス レッドブル・ホンダRBPT 2(-)
3 14 F.アロンソ アストンマーチン・メルセデス 3(-)
4 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 4(-)
5 81 O.ピアストリ マクラーレン・メルセデス 5(-)
6 16 C.ルクレール フェラーリ 6(-)
7 55 C.サインツ フェラーリ 7(-)
8 63 G.ラッセル メルセデス 8(-)
9 27 N.ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 9(-)
10 77 V.ボッタス ザウバー・フェラーリ 10(-)
11 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 11(-)
12 3 D.リカルド RB ホンダRBPT 12(-)
13 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 13(-)
14 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 14(-)
15 10 P.ガスリー アルピーヌ・ルノー 15(-)
16 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 16(-)
17 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 17(-)
18 44 L.ハミルトン メルセデス 18(-)
19 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 19(-)
20 2 L.サージャント ウィリアムズ・メルセデス 20(-)

スプリントはDAZNフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。

想定されるスタートタイヤ戦略と天気

ダニエル・リカルド(RB)は「おそらく1ストップレースになるだろう」としているが、ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは、スプリント及びフリー走行で見られたデグラデーションの大きさを考慮すると「2ストップが最速の戦略である事は明白」だとしている。

イゾラはミディアム(C3)とハード(C2)の組み合わせが「理論的にはベスト」だとする一方、左フロントのデグが大きいために上海インターナショナル・サーキットではアンダーカットが強力に機能する事に触れて、スタートタイヤにソフトをチョイスするチームが現れる可能性を指摘した。

ミディアムスタート勢にとってソフトスタート勢はジレンマの種となるだろう。アンダーカットの効果は鈴鹿同様にテキメンで、後続のライバルがソフトを履いて早期にピットストップに動いた場合、これに反応するか、ステイアウトするかの悩ましい選択を強いられる事になる。いずれにせよソフトスタート勢はレース展開を大きく変える存在となる可能性がある。

上海インターナショナル・サーキットのターン14でセルジオ・ペレス(レッドブル)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ランド・ノリス(マクラーレン)をリードするカルロス・サインツ(フェラーリ)、2024年4月20日(土) F1中国GPスプリントCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

上海インターナショナル・サーキットのターン14でセルジオ・ペレス(レッドブル)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ランド・ノリス(マクラーレン)をリードするカルロス・サインツ(フェラーリ)、2024年4月20日(土) F1中国GPスプリント

主流となるのは恐らく、ミディアム、ハード、ミディアム(またはハード)と繋ぐ2ストッパーと予想されるが、レース展開次第では最後のスティントにソフトを投入してオーバーテイクを狙うパターンも出てくるだろう。

ソフトスタートの場合は9周目~、ミディアムスタートの場合は14周目~に最初のピットストップ・ウインドウが開くことになる。

トップ10組の中でミディアム、ハード、ハードの戦略が取れるのはレッドブル勢、フェラーリ勢、そしてニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とバルテリ・ボッタス(ザウバー)だ。

同様にトップ10スタート組の中で新品ソフトを温存しているのはフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、ランド・ノリス(マクラーレン)のみで、アロンソはジョージ・ラッセル(メルセデス)と並び新品ミディアムを2セット残している。

RB勢はハードタイヤが1セットしか残っておらず、代わりにミディアムの新品を2セット確保しており、これに加えて新品ソフトがある状態だ。ポイント獲得の望みが薄い角田裕毅は、スタートタイヤにソフトを選ぶかもしれない。

レース当日の上海は、小雨の可能性こそあるものの、概ねドライ・コンディションとなる見通しだ。

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