予選でチェッカーフラッグを受けるフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2024年4月19日F1中国GP
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

F1中国GP、アストンマーチンの異議申立を棄却…予選結果が確定

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F1中国GPのスチュワードは4月20日(土)の聴聞会を経て、予選リザルトに対するアストンマーチンF1チームの異議申立を棄却した。これにより決勝レースのスターティンググリッドは一旦、確定する。

20日に上海インターナショナル・サーキットで行われた予選Q2では、カルロス・サインツがドライブするフェラーリSF-24がクラッシュにより1分17秒間に渡ってコースで停止する場面があった。事故処理のためにセッションは赤旗により中断された。

アストンは「予選セッションまたはスプリント予選中にコース上で停止したドライバーは、それ以上、そのセッションに参加することはできない」と定めたF1競技規定第39条6項を根拠として、200ユーロの抗議料を支払いリザルトに意義を申し立てた。

上海現地18時より行われた聴聞会には国際自動車連盟(FIA)の関係者、アストン、フェラーリの他、幾つかのチームのマネージャーが出席した。

第39条6項についてFIAは、マシンが合理的な時間内に再スタートして続行できる限り、通常は停止したとしても後のセッションに参加する事は許されると説明した。状況によって異なるが、一般的な時間は30秒程度だという。

この「合理的な時間」に関しては以前、クルマが”停止”したとみなされるまでの妥当な時間についてチーム間での合意を試みたものの、最終的な合意には至らなかった経緯がある。

例えば2022年のカナダGPでは、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)が40秒ほどの停止の後、セッションに合流した例があるが、この際はどのチームからも苦情が寄せられる事はなかった。

モナコGPやアゼルバイジャンGPなど、同様の例は他にも幾つも存在しており、「合理的な時間」に関してスチュワードは、合意され確立された慣行がない以上、レース・コントロールの裁量に委ねるのがベストであるとして、このルールは外部(マーシャルや回収車両)からの助けなく再スタートした場合はセッションの続行を認めるものとの解釈を示した。

スチュワードによるとこれは、停止後の参加が許可された過去の慣例における「明確なパターン」であるという。FIA側も本ルールについて同様の見解を示した。

また、2023年7月28日にベルギーのスパで開催されたF1委員会会議の議事録も一つのポイントとなった。実際にルールが変更されるには至らなかったものの、これには「第39.6条に『外部援助』を追加することが合意された」と記されていた。

この議事録の存在に関わらずスチュワードは、少なくともこの日の聴聞会に出席した人々の間で、外部からの支援なく再スタートしたマシンについてはセッションへの合流を認めるとの見解が広く共有されていたように見えたとも指摘した。

これらを理由としてスチュワードは、今回のレース・コントロールの決定、すなわちサインツのセッション継続を認めた事は過去の慣行と矛盾せず、第39条6項に違反しないと結論付けた。

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