F1、18年シーズンに向けてエンジン交換による降格ペナルティを変更
2018年F1シーズンに向けて、規定数を超えたパワーユニット交換に対するグリッド降格ペナルティが変更される。来季は年間のエンジン交換が3基までに制限され、エンジンサプライヤーにとっては今年以上に高い信頼性が問われる厳しい一年となる。
7日のFIA世界モータースポーツ評議会での議論を経て、エンジン交換によって15以上の降格が加算される場合は、当該マシンにグリッド最後尾スタートが強制される事が承認された。これは、新たに4基目以上のコンポーネントを2つ投入した際に該当する。複数ドライバーがこのようなペナルティを受けた場合には、ペナルティが確定した順にグリッド最後尾に並ぶ事とされる。
2015年のベルギーGPでは、マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンに対して合計105グリッド降格という途方もないペナルティが科された。FIAとしては、15以上の罰則の場合には一律最後尾とすることで、常識を逸した「〇〇グリッド降格」という表記を一掃したい思惑があるものとみられる。
17年シーズンでは、ホンダ製パワーユニットとルノー製パワーユニットにトラブルが多発。エンジン製造者の責任であるにも関わらず、ドライバーがグリッド後方からのスタートを強いられる事に対しては、ファンや識者から多くの疑問の声が寄せられている。
会議では、エンジン交換ペナルティの他にもスポーツおよび技術規制に対するいくつかの改正が承認された。
- セーフティーカー先導でのレーススタートないしは再開に関する手順の変更
- 柔軟性を高めるためにイベントのタイムテーブルを変更
- 旧車テストは、FIAグレード1または1Tライセンスを保有するトラックでのみ許可
- 旧車でのデモランイベント。ただし走行距離が50km以下かつ、デモラン用の特別タイヤを使用
- オイルの燃料使用は禁止
- オイルの詳細仕様の導入
- バッテリー(ES)の最小重量と容積の規定
- ハロ導入に対してのカメラ及びウィングミラーの位置変更
また本評議会では、今年のブラジルGPで発生したセキュリティ事案を受けてFIAが商業権保有者から要請された報告書を提出。各イベントにおいてドライバー及び関係者に対するより強固な安全対策を施すための具体的な提言がなされた。