ジェシカ・ホーキンス、F1マシンを初テスト「血と汗と涙を尽くして」掴んだ夢…女性として5年ぶり
ジェシカ・ホーキンスがアストンマーチンと共に、ハンガロリンクで2021年型F1マシン「AMR21」を初めてドライブした。女性ドライバーがF1マシンのテストを行ったのは2018年のタチアナ・カルデロン以来、5年ぶりだ。
2021年にドライバーアンバサダーとしてアストンマーチンに加わった英国出身の28歳は9月21日(木)、テスト兼リザーブドライバーのフェリペ・ドルゴビッチとクルマを共有し、F1ハンガリーGPの舞台を26周走り込んだ。
Wシリーズ表彰台獲得者で英国カートチャンピオンでもあるホーキンスは今回のテストに先立ち、昨年より英国シルバーストンの本拠でシミュレーター作業に取り組んできた。
生憎この日はインスタレーションラップを経て大雨に見舞われた。その結果、コース上はグリーンとなり、ホーキンスはダンプパッチが残る難しいコンディションの中で走行を開始する事となった。
この日のホーキンスの走りについてエボリューション・プログラム・ディレクターを務めるロバート・サトラーは「複雑なクルマを完璧に操りながら、トリッキーなコースで徐々にスピードを上げていった。彼女のフィードバックは正確で、我々のデータと相関していた。3回の走行を経て路面は乾き、彼女は基準となるラップスピードに匹敵する走りを見せた。全体として非常にプロフェッショナルな態度で以て素晴らしいテストプログラムをやり遂げた」と評価した。
テストについてホーキンスは「ここに辿り着くまで、私は血と汗と涙を尽くしてきました。テストのチャンスがあると聞いた時は本当に信じられない思いでした。何ヶ月も秘密にしておかなければならなかったのも大変でした!」と振り返った。
「でもそれだけの価値がありました。F1マシンの加速とブレーキングに匹敵するクルマは存在しませんし、本当に貴重な洞察を得ることができました。またデータを見て自分のパフォーマンスを本当に誇らしく思うことができました」
「AMR21をドライブする事で、長年に渡って胸に抱いていた夢のひとつを実現することができました。これからもさらに努力を続けて、その過程で他の女性たちにインスピレーションを与えると共に、それがどんなものであっても自分の夢を追うべきだということを伝えていければと思っています」
F1チーム代表を務めるマイク・クラックは、テストに向けたホーキンスの仕事ぶりに「本当に感銘を受けた」とした上で、コース上での走行について「本当に成熟した態度で以てすぐさまスピードに乗って良いリズムを掴んだ」と語った。