フェルナンド・アロンソ駆る14号車のピットストップを行うアストンマーチンのメカニック、2023年3月5日F1バーレーンGP
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

F1ピットストップ論争に終止符…今後はジャッキを含め罰則消化中の接触は全て違反

  • Published:

F1サウジアラビアGPでの混乱を経て国際自動車連盟(FIA)は第3戦オーストラリアGPに先立ち競技指令を発行し、ピットストップ中の罰則消化の際に禁止される「作業」内容を明確化した。今後はジャッキを含めてクルマに触れただけで追加のペナルティが科される。

ジェッダでのレースではフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が3位表彰台に上がったものの、ピットストップでペナルティを消化する際、規定の5秒を前にジャッキがクルマに触れたとして、レース後に4位に降格させられた。

スチュワードはペナルティを科した理由として、”ジャッキ”がクルマに触れることは競技規則第54.4条(c)における「作業」に該当するとの「FIAとチーム間の合意」が存在しているためだと説明した。

これを受けてアストンマーチンは再審請求権を行使。スチュワードは審理を経て、先の判断の際に挙げた「FIAとチーム間の合意」は存在していなかったと認め、アロンソに対するペナルティを撤回した。

FIAはオーストラリアでの第3戦を前に、レースコントロール、安全・運営・技術の各部門、そしてリモートオペレーションセンター(ROC)のメンバーを含む代表者らを招集してスポーツ諮問委員会を開催。論争に終止符を打つべく競技指令を発行した。

シングルシーター競技ディレクターを務めるスティーブ・ニールセン名義の競技指令の中でFIAは「明確化のために、または追って通知があるまでの間、ペナルティの消化中にクルマやドライバーに対し、手や工具、器具(フロントとリアのジャッキを含む)を使って物理的に触れることはすべて作業とみなされる」と記した。

また、「ペナルティ消化中の冷却ファンの使用に関しては、それがクルマに接触しない限り許可される」とも明記された。更に、1回のピットストップの最中に複数のペナルティーを連続消化できるという慣例も明文化された。

加えて、将来的にルールに組み込む、または競技指令を通して施行できるよう、レギュレーション上で明確に定義されていない「一般的な慣習」とされるものについて見直していく計画を明らかにした。

F1オーストラリアGP特集