F1グリッドボックス内停止「運みたいなもの」もう少し常識を…アロンソに仲間からの同情相次ぐ
フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)のグリッド停車位置違反についてドライバー達は、ルールの必要性を認めながらも同情を寄せている。セルジオ・ペレス(レッドブル)に言わせれば、ボックス内に止まれるかどうかはある意味、運のようなものだという。
最終的にペナルティ消化の是非を巡るレース後の混乱を生じさせた最初のきっかけとなったのは、アロンソがスタート時に、規定の停止位置から左にはみ出た状態でグリッドに着いた件だった。
GPDA(F1ドライバー組合)のディレクターを務めるジョージ・ラッセル(メルセデス)は「意図は理解している」として、あくまでもルール遵守が基本だとしながらも、位置がずれた事でアロンソは「何もゲインを得ていない」として、5秒ペナルティは「厳しいかも」と意見を述べた。
またピットストップの際、5秒の消化を前にジャッキが触れたとして一旦、科された追加の10秒ペナルティに関しても、詳細は分からないとしながらも「あまりに厳しすぎる」と主張した。
更にローガン・サージェント(ウィリアムズ)がピットレーンエントリーとコースの間のペイントを踏んだことで予選タイムが抹消された件に触れて、FIAの裁定は「少し分別がない」と指摘し、ルールの適用とペナルティについての広範な議論が必要だと訴えた。
グリッドボックス違反に関しては、前戦バーレーンでもエステバン・オコン(アルピーヌ)がペナルティを受けたばかりだった。
ラッセルは18インチタイヤを履く現行のグランドエフェクトカーからの視界性は非常に悪く、コックピットの中からボックスの位置を確認するのは「信じられない位に難しい」と説明した。
「本当に低い位置に座っているから、タイヤ上部の4、5インチ(10.16~12.7cm)しか見えなくて、実際には地面そのものを見ることはできないんだ」
「黄線(以下の図を参照)さえ見えないし、ましてや横方向の位置を示す白い線は言うまでもない」
「本当に、本当に見えないんだ。だからこの点に関しては、もう少し常識を示す必要があるんじゃないかと思ってる」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はルールの必要性を指摘した上で「兎に角、クルマの中からの視界は悪い。ボックスをはみ出てしまう問題の最たる原因はそこにあると思う」と付け加えた。
ペレスに至っては、ボックス内に止まれるかどうかは「正直に言って運みたいなところがある」と主張した。
「自分が何処に止まっているのかを確認するのは本当に難しい。手前に止まり過ぎたと思っても、クルマに乗っていると全く分からないんだ。行き過ぎたのか、手前に止まり過ぎたのかね」
3月19日(日)にジェッダ市街地コースで行われた2023年F1第2戦サウジアラビアGP決勝では、セルジオ・ペレスがポール・トゥ・ウインを飾り、2位にマックス・フェルスタッペンが続いた事でレッドブルが2戦連続の1-2を飾った。