バーニー・エクレストン、2014年F1オーストラリアGPにて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

被告エクレストン「歴史的不正義の是正」を求めるマッサの提訴を支持

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2008年のF1シンガポールGPでの”クラッシュゲート”を巡って訴えられたフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)の元最高経営責任者(CEO)であるバーニー・エクレストンは、原告であるフェリペ・マッサの決断を支持した。

数ヶ月に及ぶ検討を経て元ブラジル人F1ドライバーは3月11日(月)、国際自動車連盟(FIA)とフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)、そしてエクレストンを相手取り、ロンドン高等裁判所に提訴した。

マッサは、FIAがクラッシュゲートを適切に処理していれば同年のドライバーズタイトルは自身のものであったという「宣言」ならびに、これにより被ったと見積もられる少なくとも6,400万ポンド(約120億円)の損害賠償を求めている。

提訴の理由についてマッサは母国ブラジルの「Globo」に対し、「僕は一貫して最後まで戦うと言ってきた。FIAとFOMが何もしないと決断したから、僕らは法廷でこの歴史的不正義の是正を求めるつもりだ」と語った。

マッサが訴訟を決意したのは、当時のFOMを率いていたエクレストンの暴露話がきっかけだった。

F1のかつての最高経営責任者は昨春、2008年中にクラッシュゲートの真相を知りながらも、自身と当時のFIA会長マックス・モズレーはそれを隠蔽していたと認めた。この発言についてエクレストンはその後、何も覚えていないと主張した。

昨年10月に93歳の誕生日を迎えたエクレストンは11日(月)、PA通信に対し、「もし彼が私に尋ねていたら、訴えるのは完全に正しいことだと言っただろうし、何が正しくて何が間違っているのかを英国の裁判官に任せるべきだと言ったことだろう」と語った。

「どのような結果になるのかについては何も言えない。私には分からないし、誰にも分からないと思うが、彼の立場からすれば、英国の裁判官が評決を下したほうがいい。その方が彼にとって助けになる」

16年前のF1シンガポールGPでは、ルノー首脳陣の指示を受けネルソン・ピケJr.が僚友フェルナンド・アロンソを勝たせるために故意にクラッシュするという、いわゆる”クラッシュゲート”が発生した。

このシンガポールGPが選手権から除外、あるいは事故発生前の時点の順位がリザルトとして認定されていれば、ドライバーズ選手権タイトルはマッサ(当時フェラーリ所属)のものであった。

マッサは同年、最終戦ブラジルGPの最終周の最終コーナーでルイス・ハミルトンがティモ・グロックをオーバーテイクした事により1ポイント差でタイトルを逃した。