表彰台の上で握手を交わすクリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシングチーム代表)と2位のルイス・ハミルトン(メルセデス)、2021年12月12日(日) F1アブダビGP(ヤス・マリーナ・サーキット)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブルF1への接触、食い違うハミルトンとホーナーの主張…その真相は

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移籍を念頭に2024年に向けてレッドブルに接触があったとのクリスチャン・ホーナー代表の発言を受け、ルイス・ハミルトン(メルセデス)はこれを否定した。両者の主張は食い違っている。

レッドブルの指揮官は英「Daily Mail」とのインタビューの中で、今年初めに「興味があるかどうかについての問い合わせ」がハミルトン側からあったと明かした。また、ハミルトンはフェラーリ会長ジョン・エルカーンとの間で本格的な移籍交渉を行ったようだとも語った。

2023年シーズンの最終戦、アブダビGPの開幕前日にこの件について問われたハミルトンは「もう何年もクリスチャンとは話をしていないし、僕のチームにも確認したけど、誰も彼らとは話をしていない」と述べ、キッパリと否定した。

7度のF1ワールドチャンピオンは今年8月、所属先のメルセデスとの間で新たに2年の契約延長にサインした。年俸は5,000万ポンド、日本円にして約93億円と噂されている。接触があったとされるのは発表の半年ほど前の事だった。

ホーナーとは「何年も話をしていない」とするハミルトンだが、英「BBC」によるとホーナー側から連絡があったとも述べ、その主張は少しばかり一貫性がなかった。

ハミルトンによると、以前に使用していた携帯電話を自宅で見つけて手に取ったところ「何百」ものメッセージの中に、シーズン末(恐らくは2022年末)に集まって雑談でもどうかとのホーナーのメッセージを見つけたという。

メッセージに気づいたのが「何ヶ月も後」のことであったためハミルトンは、レッドブルが支配的なシーズンを過ごしている事を祝福し「近いうちにあなた達と争える日が来る事を願っている」と返したそうだ。

なおホーナーからのメッセージを受けハミルトンは、その事実をチーム代表のトト・ウォルフに報告したとも明かした。

食い違いが生じているのは何故なのか? レッドブルの広報担当者によると、ホーナーに接触したのはハミルトンの父、アンソニーだという。

アンソニー・ハミルトンはジュニア時代からF1デビューに至るまでルイスのキャリアを支えてきた重要人物の一人で、2010年以前まではマネージャーを務めていたものの、現在はそのキャリアに関与していないものとみられる。

マックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトン。合計10度のF1ワールドチャンピオンが同じチームでドライブする事はあり得るのだろうか?

ハミルトンは「同じクルマでマックスと戦えたら嬉しい」と述べ、フェルスタッペンとのタッグに前向きな姿勢を見せたが、同時にフェルスタッペンは自身をチームメイトとする事に否定的だろうとも語った。

対するフェルスタッペンは、仮定の話をしても意味がないとしたうえで、ハミルトンに限らず誰がチームメイトになっても構わないと主張した。

F1ではトップドライバー同士がチームメイトになる事は滅多にないが、古くはアイルトン・セナとアラン・プロストのように例がないわけではない。

ハミルトンはデビューイヤーの2007年にマクラーレンでフェルナンド・アロンソとタッグを組んだ事がある。またF1王者に輝いたジェンソン・バトンとニコ・ロズベルグともチームメイト関係にあった。

ただ、フェルスタッペンとハミルトンは物議を醸した最終戦の最終ラップでのオーバーテイクによる逆転王座劇を含め、2021年に激しいタイトル争いを演じた間柄であり、2人の年俸を合わせると200億円近いコストがかかる事などから、ドリームチームの実現を夢見るのは現実的ではないと言えそうだ。

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