バーレーン・インターナショナル・サーキットのコース上で並走するエステバン・オコン(アルピーヌ)とアレックス・アルボン(ウィリアムズ)、2024年2月21日F1プレシーズンテスト初日
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年F1テスト、RB含む5チームが昨季バーレーンGP予選を超えるタイムを記録

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2024年のF1プレシーズンテストで記録されたチーム別の最速ラップタイムを、同じバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催された前年のバーレーンGP予選と比較する。

予選では誰もが可能な限り搭載燃料を少なく抑えて重量を減らし、限界まで攻めた走りをするが、テストでは必ずしもそうとは言えず、またエンジンモードも様々だ。

さらに今回のバーレーンテストでは、昨年のグランプリには持ち込まれなかったC4コンパウンドでタイムを計測したチームもあり、加えて路面や温度などのコンディションも関係してくるため単純比較はできないが、それでも見えてくるものもある。

昨年の予選より速いラップを刻んだのはザウバー(旧アルファロメオ)、RB(旧アルファタウリ)、ウィリアムズ、マクラーレン、そしてフェラーリの計5チームだ。

メルセデスはほぼ変わらないタイムを記録し、アストンマーチン、ハース、レッドブル、アルピーヌの4チームは昨年の予選よりも遅かった。

順位 チーム 2023
バーレーンGP予選
2024
テスト最速
変化 タイヤ
1 ザウバー 1:31.443 1:30.647 -0.796 C4
2 RB 1:31.400 1:30.775 -0.625 C4
3 ウィリアムズ 1:31.461 1:30.984 -0.477 C4
4 マクラーレン 1:31.381 1:31.030 -0.351 C3
5 フェラーリ 1:30.000 1:29.921 -0.079 C4
6 メルセデス 1:30.340 1:30.368 0.028 C4
7 アストンマーチン 1:30.336 1:31.159 0.823 C3
8 ハース 1:30.809 1:31.686 0.877 C3
9 レッドブル 1:29.708 1:30.679 0.971 C3
10 アルピーヌ 1:30.914 1:32.061 1.147 C3

便宜的にここではタイムが速くなったチームをまとめて”マイナス組”、遅くなったチームを”プラス組”と呼ぶことにする。

技術規定は大きく変わっておらず、1年前のクルマと比べて2024年の新車が遅くなる可能性は低いため、プラス組は手の内を隠している、あるいは隠す意図がなくとも全く本気を出していないと言って良いだろう。

次にC4コンパウンドでテスト最速を刻んだ各チームのラップタイムをC3相当に補正して比較する。補正にはピレリの推計値、コンマ6秒を加算した。

順位 チーム 2023
バーレーンGP予選
2024
テスト最速
変化
1 マクラーレン 1:31.381 1:31.030 -0.351
2 ザウバー 1:31.443 1:30.647 -0.196
3 RB 1:31.400 1:30.775 -0.025
4 ウィリアムズ 1:31.461 1:30.984 0.123
5 フェラーリ 1:30.000 1:29.921 0.521
6 メルセデス 1:30.340 1:30.368 0.628
7 アストンマーチン 1:30.336 1:31.159 0.823
8 ハース 1:30.809 1:31.686 0.877
9 レッドブル 1:29.708 1:30.679 0.971
10 アルピーヌ 1:30.914 1:32.061 1.147

フェラーリとウィリアムズは”プラス組”に転じたが、ザウバー、RBのテスト最速タイムは依然として予選より速く、マクラーレンを加えた3チームが”マイナス組”となった。

”プラス組”のタイムは”マイナス組”以上に当てにならないと見なせるわけだが、そんなプラス組の、それも9位にレッドブルがいるのは不気味以外の何物でもない。一体、どれだけのペースを隠し持っているのだろうか。

F1バーレーンGP特集