フェルスタッペン、謝罪と批判で見せた温度差の真意―”手遅れ”で至ったピアストリ接触事故
2024年F1アブダビGPでの1周目に発生したオスカー・ピアストリ(マクラーレン)との接触事故について、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、事故そのものと、それに対して科されたペナルティについて、対照的なスタンスを取った。
3番手スタートのフェルスタッペンは、ターン1でピアストリのイン側に飛び込み追い抜きを試みたが、右フロントがMCL38の左リアに接触。両者はスピンを喫し、大きく順位を落とした。
フェルスタッペンはレース後、事故の経緯を次のように振り返り、いわゆる「コーナーの権利」が得られるほど踏み込めなかったため、後退しようとしたものの、「不運」なことに接触に至ったと説明した。
「シーズンを通してそうだったように、今回もスタートは良かった。だからイン側に飛び込んだんだけど、完全には横に並べなかった。だから、エイペックスに差し掛かったところで手を引いて縁石に乗ろうとしたんだけど手遅れで、右フロントがオスカーの左リアに当たってしまった」
「あれは本当に運が悪かった。接触するのは嫌いだ。兎に角、あれは本当に…(Fワードを口にしようとして)ここは”汚い言葉”を使うところだね!もちろん、こんなことは望んじゃいない。その後は、ただただ難しいレースだった。ペースもなかったし、ちょっと残念なレースだったね」
また、ピアストリに謝罪したことを明かし、「誰とだって接触したくはないし、オスカーなら尚更さ。彼はいい奴だからね」と語った。
フェルスタッペンは「もちろん、僕の責任だ」と認める一方、スチュワードが科した10秒ペナルティについては、制裁の量定と一貫性という点で問題視した。
デレク・ワーウィックを含むスチュワードは、フェルスタッペンに接触の全責任があると判断し、10秒ペナルティと2点のペナルティポイント(累積8点)を科した。2025年6月30日までに、あと4ポイントを追加すると1レースの出場停止となる状況だ。
29周目のピットストップでペナルティを消化した際にフェルスタッペンは、無線で「馬鹿げた連中め!」とスチュワードに対する不満を爆発させた。
F1において、ペナルティの量定はしばしば議論を呼ぶ問題だ。スチュワードは接触の責任がフェルスタッペンにあると判断したが、フェルスタッペンは自身の責任を認めており、その点に不満を抱いているわけではない。
無線で声を荒げたのは、フェルスタッペンが「同様のケースでのペナルティの基準が曖昧」だと感じているためだ。
フェルスタッペンは「5秒なのか、それとも10秒なのか。ターン1の一件が良くないことなのは分かってる。問題はそこじゃない。昨日(予選)は何人かが妨害していたのに誰もペナルティを受けなかったし、もっと一貫性が必要だと思う」と訴えた。
2024年F1最終第24戦アブダビGPでは、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを飾り、マクラーレンに26年ぶりのコンストラクターズ選手権をもたらした。