アルピーヌF1、ピットクルー負傷の危険事故で処分「本当に怖かった」とガスリー
メカニックの一人が負傷したピットストップ中のインシデントに関してF1中国GPのスチュワードは、アルピーヌF1チームに1万ユーロ(約165万円)の罰金を科す決定を下した。
56周のレースの11周目、タイヤ交換を経てピエール・ガスリーがピットボックスを出ようとしたところ、右リアタイヤが適切に装着されておらず、クルマから外れた18インチホイールが当たった事で、メカニックの一人が転倒して軽症を負った。
ヴィタントニオ・リウッツィら4名の競技審判団によると、タイヤが適切に装着されていない状態であったにも関わらず、ピットアウトを許可する合図を送るためのボタンをチームメンバーが誤って押した事が原因で、ガスリーに過失はないと判断された。
GOサインを受けたガスリーはクラッチを切ってクルマを前進させたが、問題が発生している事に気づいたチームが慌ててクルマを停めた。
19.35秒もの停止時間を経てようやくコースインしたガスリーは、無線を通して仲間の安否を確認した。
一件についてスチュワードは「ピットストップ中に発生した危険なインシデント」であり、チーム側に「全面的な責任」があるとして、チームの安全義務について定めたF1競技規定第3条2項に対する違反があったと結論付けた。
ピットストップでの事故についてガスリーは「本当に怖かった」と振り返り、「シグナルが青になったからクラッチを切ったんだけど、すぐに赤になってね。ミラーで彼の事を確認しようとしたらホイールが付いてなかったんだ。メカニックが無事で良かったけど、あれはちょっと怖かった」と語った。
アルピーヌは単にクルマのペースが遅いだけでなく、バーレーンでもピットストップでミスをして大きくタイムをロスしており、開幕5戦を終えて未だノーポイントとなっている。
ガスリーは「今年は何度かピットストップでタイムを失っているから、何が起きたのかをシッカリと見直して次に向けて改善していきたい」と付け加えた。
2024年F1第5戦中国GPではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にセルジオ・ペレス(レッドブル)が続く結果となった。
マイアミ・インターナショナル・オートドロームを舞台とする次戦マイアミGPは現地5月3日のフリー走行1で幕を開ける。