老練アロンソ、フェルスタッペンと並ぶ最前列「メガだった!」ペレスは赤旗クラッシュ / F1カナダGP《予選》結果とダイジェスト
2022年シーズンのFIA-F1世界選手権9戦カナダGPの公式予選がモントリオール現地6月18日(土)にジル・ビルヌーブ・サーキットで行われ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが今季2度目のポールポジションを獲得した。
最前列2番手にはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が並んだ。ウェットからハーフウェットと移り変わる難しいコンディションの中、同郷の後輩カルロス・サインツ(フェラーリ)を0.152秒差で抑え切り、経験の差を見せつけた。
予選後のグリッドには現地ファンからのアロンソコールが鳴り響いた。「マシンはメガだった! クルマはかなり良い感じだったし、ファンからの後押しもあった」とアロンソは笑みを見せた。
予選とは異なり決勝はドライが予想されるが、コンディションがどうであれアロンソが狙うものは変わらない。アロンソは「ターン1でマックスに仕掛けるよ」と付け加えた。
フェルスタッペンがトップに立った一方、チームメイトのセルジオ・ペレスはQ2でクラッシュを喫し、13番手とミッドフィールドに沈んだ。
サインツと並ぶ2列目4番手にはルイス・ハミルトンが続いた。チームメイトのジョージ・ラッセルはQ3で唯一、スリックタイヤを履くギャンブルに出て失敗。8番手に留まった。
厳しい週末続きだったハースは嬉しいダブルQ3進出を果たした。ケビン・マグヌッセンは5番手、ミック・シューマッハも6番手と揃って好位置を確保した。
アロンソと同じアルピーヌA522をドライブするエステバン・オコンは1.585秒遅れの7番手に留まった。9番手にはダニエル・リカルド(マクラーレン)、10番手には初のQ3進出を果たした周冠宇が続く結果となった。
アルファタウリ勢は、パワーユニット交換に伴うグリッド降格ペナルティで最後尾スタートが決まっている角田裕毅が20番手と、こちらは予定通りながらも、ピエール・ガスリーはまさかの16番手とQ1敗退を喫した。
予選Q1:FP3上位のガスリーとベッテルが敗退
降り続く雨の影響で路面状況はFP3よりも悪化し、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温12.9℃、路面18.2℃、湿度84%、気圧1006.7hPaのウエットコンディションでスタートした。
公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC3、ミディアム(黄色)にC4、ソフト(赤色)にC5コンパウンドを持ち込んだが、スリックで計測が行われる事はなかった。
水しぶきは激しく、赤旗ギリギリ回避といった状況の中、まずは全車がエクストリームウェットを履いてコースに向かった。
Max Verstappen; Min visibility 👀#CanadianGP #F1 pic.twitter.com/rFkYbFUvDx
— Formula 1 (@F1) June 18, 2022
時間を経る事に路面条件の改善が予想される中、角田裕毅を除く全19台がピットに入ることなくコース上で連続周回を重ねタイムを更新していった。結果、トラフィックに阻まれる者もあった。
ランス・ストロール(アストンマーチン)は18番手、ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)は19番手と、地元カナダ勢は揃ってQ1敗退に終わった。FP3で3番手だったセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)も17番手でノックアウトした。
ガスリーは直前のフリー走行で2番手タイムを刻むも、16番手でまさかの敗退を喫した。また、コースオフの際の復帰手順に違反した可能性があるとして審議の対象となった。
更に、黄旗が振られる中で減速しなかった疑いがあるとしてストロールが、不必要に低速走行した可能性があるとしてアレックス・アルボン(ウィリアムズ)とサインツがそれぞれ審議される事になった。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:32.219 | 11 | |
2 | アロンソ | アルピーヌ | 1:32.277 | + 0.058 | 11 |
3 | サインツ | フェラーリ | 1:32.781 | + 0.562 | 10 |
4 | マグヌッセン | ハース | 1:32.957 | + 0.738 | 12 |
5 | ルクレール | フェラーリ | 1:33.008 | + 0.789 | 10 |
6 | オコン | アルピーヌ | 1:33.012 | + 0.793 | 11 |
7 | ラッセル | メルセデス | 1:33.160 | + 0.941 | 11 |
8 | リカルド | マクラーレン | 1:33.636 | + 1.417 | 11 |
9 | ボッタス | アルファロメオ | 1:33.689 | + 1.470 | 11 |
10 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:33.692 | + 1.473 | 11 |
11 | シューマッハ | ハース | 1:33.707 | + 1.488 | 11 |
12 | ハミルトン | メルセデス | 1:33.841 | + 1.622 | 11 |
13 | ペレス | レッドブル | 1:33.929 | + 1.710 | 11 |
14 | アルボン | ウィリアムズ | 1:34.047 | + 1.828 | 11 |
15 | ノリス | マクラーレン | 1:34.066 | + 1.847 | 11 |
16 | ガスリー | アルファタウリ | 1:34.492 | + 2.273 | 11 |
17 | ベッテル | アストンマーチン | 1:34.512 | + 2.293 | 12 |
18 | ストロール | アストンマーチン | 1:35.532 | + 3.313 | 11 |
19 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:35.660 | + 3.441 | 11 |
20 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:36.575 | + 4.356 | 4 |
予選Q2:ペレスが赤旗クラッシュ
5台が脱落し、残る15台のマシンが挑んだQ2はインターミディエイトタイヤの出番となった。最後尾スタートのルクレールは突破を果たしたQ1を経てクルマを降り、15番手でセッションを終えた。
開始早々にアルボンがターン6で曲がり切れず、車体正面からTECPROバリアに衝突した。幸いにもマシンに深刻なダメージはなくコースに戻ったが、その直後にペレスがターン3で同じようにバリアに正面衝突。復帰を試みたのもののリバースギアに入らず、今週末初となる赤旗が振られた。
🚩 RED FLAG 🚩
Perez also slides off on the Intermediates, and can't get it out of the wall#CanadianGP #F1 pic.twitter.com/bepojkmkOt
— Formula 1 (@F1) June 18, 2022
中断を経て路面は大幅に改善。時間の経過と共にタイムシートが慌ただしく移り変わる展開となった。
ランド・ノリス(マクラーレン)はパワーユニットに何らかの問題があると報告。ガレージに戻りメカニックが修復作業に取り組んだものの、完全に解決する事ができなかったようで、終盤にコースに出るも計測を諦めガレージに戻った。
周冠宇(アルファタウリ)は初のQ3進出を果たして最終7番手を刻んだが、バルテリ・ボッタスは11番手でQ2ノックアウトとなった。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:23.746 | 21 | |
2 | アロンソ | アルピーヌ | 1:24.848 | + 1.102 | 21 |
3 | ラッセル | メルセデス | 1:24.950 | + 1.204 | 22 |
4 | サインツ | フェラーリ | 1:25.197 | + 1.451 | 20 |
5 | ハミルトン | メルセデス | 1:25.543 | + 1.797 | 22 |
6 | シューマッハ | ハース | 1:25.684 | + 1.938 | 22 |
7 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:26.116 | + 2.370 | 22 |
8 | オコン | アルピーヌ | 1:26.135 | + 2.389 | 22 |
9 | マグヌッセン | ハース | 1:26.254 | + 2.508 | 23 |
10 | リカルド | マクラーレン | 1:26.375 | + 2.629 | 21 |
11 | ボッタス | アルファロメオ | 1:26.788 | + 3.042 | 21 |
12 | アルボン | ウィリアムズ | 1:26.858 | + 3.112 | 21 |
13 | ペレス | レッドブル | 1:33.127 | + 9.381 | 14 |
14 | ノリス | マクラーレン | 15 | ||
15 | ルクレール | フェラーリ | 10 |
予選Q3:ラッセル、賭け功奏せず
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3ではラッセルがソフトタイヤを選択するも、ターン2で曲がり切れずリアからバリアに接触した。
結局最後までインターコンディションは変わらず、ミスなく一貫してタイムを縮めていったフェルスタッペンがポールを獲得。週末を通して終始、好ペースを刻み、最終のランでサインツを交わしたアロンソが2番グリッドを手にする結果となった。
2022年F1カナダグランプリ決勝レースは日本時間6月19日(日)27時にフォーメーションラップが開始され、1周4,361mのジル・ビルヌーブ・サーキットを70周する事でチャンピオンシップを争う。
2022年F1第9戦カナダGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:32.219 | 1:23.746 | 1:21.299 | 30 |
2 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:32.277 | 1:24.848 | 1:21.944 | 29 |
3 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:32.781 | 1:25.197 | 1:22.096 | 29 |
4 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:33.841 | 1:25.543 | 1:22.891 | 31 |
5 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:32.957 | 1:26.254 | 1:22.960 | 31 |
6 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:33.707 | 1:25.684 | 1:23.356 | 31 |
7 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:33.012 | 1:26.135 | 1:23.529 | 30 |
8 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:33.160 | 1:24.950 | 1:23.557 | 30 |
9 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:33.636 | 1:26.375 | 1:23.749 | 30 |
10 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:33.692 | 1:26.116 | 1:24.030 | 31 |
11 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 1:33.689 | 1:26.788 | 21 | |
12 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:34.047 | 1:26.858 | 21 | |
13 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:33.929 | 1:33.127 | 14 | |
14 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:34.066 | DNF | 15 | |
15 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:33.008 | 10 | ||
16 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:34.492 | 11 | ||
17 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:34.512 | 12 | ||
18 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:35.532 | 11 | ||
19 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:35.660 | 11 | ||
20 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:36.575 | 4 |
コンディション
天気 | 雨 |
---|---|
気温 | 12.9℃ |
路面温度 | 18.2℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1カナダGP |
---|---|
セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | ジル・ビルヌーブ・サーキット |
---|---|
設立 | 1978年 |
全長 | 4361m |
コーナー数 | 14 |
周回方向 | 時計回り |