規定変更…アロンソ「全会一致はありそうにない」バウンシング克服のアルピーヌ、矢継ぎ早のアップデートを計画
F1アゼルバイジャンGPで話題となったバウンシング問題について、健康被害を理由としてメルセデスを中心にレギュレーション改定を望む声が出ているが、フェルナンド・アロンソはライバルの要求が実現する見込みはなさそうだと考えている。
バウンシングを克服するアルピーヌA522
アルピーヌA522はレッドブルRB18やマクラーレンMCL36と並び、ポーパシングやバウンシングといった今季グランドエフェクトカー特有の課題を殆ど抱えていないマシンであり、ルール変更に賛成票を投じる理由がない。
「今季の僕らのクルマはバウンシングの影響をかなり上手くコントロールできている」とアロンソは語る。
「バクーでもあまり感じる事はなかった。そんな事よりも、タイヤのデグラデーション、特にリアタイヤのデグを管理することが焦点だった」
「行く先々のサーキットで違うだろうけど、ジェッダはかなりスムーズだったし、オーストラリアもそうだった。そこでは誰も何も言っていなかった」
「変更について全チームが合意に至るのはかなり難しいだろう」
最高技術責任者を務めるパット・フライも「バクーではバウンシングの問題が大きな議論となったが、我々の方はさほど大した事はなかった」と明かす。
「2022年型マシンはかなり車高が低いため、どうしてもボトミングが起きてしがいがちで、バンプの影響がセンシティブに表れるのだろうが、我々にとってはそれほど大きな問題ではない」
矢継ぎ早のアップデートを計画
積極的にローダウンフォース仕様のパッケージを作り上げたF1アゼルバイジャンGPではアロンソが7位、エステバン・オコンが10位と、アルピーヌはダブルポイントを飾った。
フライは「ローダウンフォースが功を奏した。それはセクター3のタイムとトップスピードの高さに表れていた。低速コーナー及び2本の長いストレートでのパフォーマンスのトレードオフとなるが、ダウンフォースの選択は予選と決勝の両方で最適なものだった」と語った。
次戦カナダGPは最終のターン14、「チャンピオンズ・ウォール」をはじめとして、高速のシケインやコーナーがバクーよりも多く、チームはダウンフォース量を増やしたパッケージを持ち込む事になる。
「リアウイングのレベルを1段階上げ、ビームウイングのオプションも幾つか用意し、最適なダウンフォースセッティングを見極めるつもりだ」とフライは語った。
メルセデスが顕著だが、ポーパシングやバウンシングによる問題が解消できていないチームは何を拠り所にすれば良いかが明確ではないため、マシン開発という点でも遅れを取る傾向にあるが、アルピーヌにはその心配がない。
F1サーカスは今週末のカナダGPを経て2週間のオフを取り、シルバーストン、レッドブル・リンクでの2連戦を予定している。アルピーヌはこの3戦で矢継ぎ早にアップデートを投じる計画だ。
フライは「モントリオールではコース特性に合わせたリアウィングのアップデートを予定している」と説明する。
「続くシルバーストンとオーストリアに向けても更なるアップグレードが計画されており、今後数戦で次々にクルマを改良していくつもりだ」
F1長寿記録は「嬉しい」とアロンソ
バクー市街地コースでのレースを終えてミハエル・シューマッハを塗り替える7,771日のF1長寿記録ホルダーとなった2度のF1ワールドチャンピオンは、2000ポイントという生涯総得点まで後4ポイントに迫った。これを達成しているのはルイス・ハミルトンとセバスチャン・ベッテルしかいない。
「嬉しいよ」とアロンソは素直に認めた。
「それがモータースポーツであれバスケットボールであれ、どんなスポーツであっても、その頂点での21シーズンというのは偉大な業績だと思う」
「長年に渡る情熱と自己鍛錬、そして犠牲が必要だけどそれだけの価値がある。これを達成できて嬉しく思っているし、これからもまだまだ続けていきたい!」