
F1カナダGP、2035年まで契約を延長―開催時期も見直し
フォーミュラ1は2025年6月17日、モントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットで開催されるカナダGPの開催契約を2035年まで延長したと発表した。現行契約は2031年までとなっており、今回の合意により4年間の延長が決まった。
この契約には開催時期の見直しも含まれており、F1が進めるカレンダー合理化の一環として、2026年以降は例年より早い時期に開催される見通しだ。あわせて、地元のメディア企業Bell Mediaとの放映権契約についても、長期延長が発表された。
F1の会長兼CEOステファノ・ドメニカリは、「F1が75周年を迎える記念すべき年に、カナダGPという歴史あるイベントの継続を発表できることは非常に意義深い。モントリオールの熱気とファンの情熱、そしてイベントを支える地域の努力に深く感謝したい」とコメントした。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
決勝スタート直後にポジション争いを繰り広げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2025年6月15日(日) F1カナダGP決勝(ジル・ビルヌーブ・サーキット)
カナダGPは1967年に初開催され、1978年以降はジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台に定着。今年で通算54回目の開催となった。現役ドライバーでは、ジョージ・ラッセル、マックス・フェルスタッペン、フェルナンド・アロンソが同地での優勝経験を持つ。なかでもルイス・ハミルトンは、7勝を挙げてミハエル・シューマッハと並ぶ最多勝利記録を誇っている。
ジル・ビルヌーブ・サーキットは、強烈なブレーキングが求められるシケイン、象徴的なヘアピン、そして「チャンピオンズ・ウォール」と呼ばれる名物セクションで知られ、世界中のドライバーとファンから愛されてきた。
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
ジル・ビルヌーブ・サーキットでアルピーヌA523をドライブするピエール・ガスリーとマクラーレンMCL60のランド・ノリス、2023年6月16日F1カナダGP
モントリオール市長ヴァレリー・プラント、ケベック州観光相キャロリーヌ・プルー、カナダ産業省のカルロス・レイタオ議員らは共同声明で、「F1カナダGPは、カナダ国内最大級の国際イベントであり、この都市を国際的に輝かせる存在だ」と強調。さらに、イベントは観光産業や雇用創出を含め、経済面でも極めて大きな効果をもたらしてきたとした。
2035年までの長期契約により、ジル・ビルヌーブ・サーキットはF1カレンダーにおける歴史的象徴としての地位をさらに強固なものとする。都市の活気、熱狂的なファン、そして数々の波乱を生んできたこのイベントは、今後も世界中の注目を集め続けることになるだろう。