2014年のフラビオ・ブリアトーレ
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元ルノーF1代表 69歳ブリアトーレ、新型コロナウイルス感染を告白

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ルノーF1のチーム代表として、かつてフェルナンド・アロンソと共にF1世界選手権でのダブルタイトル2連覇を達成したフラビオ・ブリアトーレが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染していたと告白した。

昨年末に武漢で確認された新型肺炎は中国国内で爆発的に感染者を増やし、その後全世界へと急速に広がった。今やヨーロッパ全土がパンデミックの震源地と化し、イタリアやスペイン、フランスを中心に1万人以上の命が奪われている。

来月4月12日に70歳の誕生日を迎えるイタリア出身のブリアトーレは地元のテレビ番組「L’aria che tira」に出演し、昨年の12月にCOVID-19と疑われる肺炎を患った事を明らかにした上で、イタリア政府の危機管理体制を強く批判した。イタリア初の公式な感染者は2月22日に確認されている。

ブリアトーレは「私は12月に体調を崩してしまった。高熱が出て肺に痛みがあり呼吸困難に陥った。それが10日ほど続いた。主治医は何が起こっているのか理解できていなかったが、レントゲンとCTスキャンで肺に影が写っている事は分かっていた。イタリアでウイルスが流行した後、医者からコロナウイルスに感染していたに違いないと言われたんだ」と説明した。

幸いな事に重篤化することもなく全快したようだが、ブリアトーレはコロナウイルスを巡る政府およびジュゼッペ・コンテ首相の対応を痛烈に批判した。

「誰もがウイルスを過小評価し、真剣に対処しようとしなかった。世界保健機関(WHO)は1月の時点であらゆる人々に備えるよう伝えていたが、誰もそうしなかった。あれは世界政治の誤りの一つだった」とブリアトーレ。

「もし私が大臣だったとして中国での感染発生を把握していたとしたら、中国との多くの接点がある国内の地域に対して誰かを派遣するか、あるいは自ら出向いて事だろう。武漢に行ったことのある欧州の大臣はいないだろうし、現時点でマスクと呼吸器で武装している大臣もいないだろう。要は適切な人物が指導的立場にいない事の現れだ」

アルファタウリ・ホンダとスクーデリア・フェラーリが本拠を構えるイタリアは北部のロンバルディア州を中心にCOVID-19が猛威を振るっており、25日付での死亡者数は前日より683人増えて7,503人に達し、累計感染者数は74,386人に上った。政府当局による事実上の業務停止が発令されたためフェラーリは3月19日から、アルファタウリは3月23日からファクトリーを閉鎖している。