F1ブラジルGP
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F1ブラジルGP2016《木曜》記者会見全文

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インテルラゴス・サーキットで開催される2016年のブラジルGP。木曜日のプレスカンファレンスには、マッサ、ベッテル、リカルド、フェルスタッペン、ハミルトン、ロズベルグそしてチャーリー・ホワイティングの7名が参加した。

Q:ではフェリッペから、F1ドライバーとして最後のブラジルGPとなりますが今週末、この大事なレース、どう思っていますか?

フェリッペ・マッサ
「そうだね、僕にとってものすごく特別な週末になるだろう。最後の母国レース、育った場所、グランドスタンドからアイルトン・セナやネルソン・ピケを応援したよ。いつもここには夢があったんだ。それからF1に乘り2度インテルラゴスで優勝したよ、表彰台には何度も立ったしね。だからここは僕にとってとてつもない場所なんだよ。来年彼らがここでレースをするのを見る時にはきっと恋しく思うだろうね。でも僕は本当に幸せだし15年間過ごしたF1での時間、僕が出会った全ての人々、友人、長い間戦ってきたドライバー達、その全てを誇りに思っているよ。そう、うん。。この場所、そして友人たちだけでなく世界中で戦ったレースを恋しく思うことになるだろうね。とても特別なレースになるだろう。」

Q:ここにはたくさんの思い出があると言っていましたが、ポールポジションと表彰台これら2つはフェラーリ時代に成し遂げたものですよね。ここにいるドライバーたちは何がひときわ優れているのでしょうか?

フェリッペ・マッサ
「難しいね。僕らは世界で一番のドライバーは誰か話しているんだろう?ここにいる人は皆才能があるからここにいるんだ。すごく高いレベルで争っている。でもそれだけではなくたくさん学んでいるんだ。僕は素晴らしい人生経験を積んだよ。F1ドライバーになるのは簡単なことではない。でも僕はとんでもなく素晴らしい時間を過ごしたしここで成し遂げたものはとても大きかったんだ。僕は強いドライバー達のことをずっと忘れないだろうね。関係もサーキット以外では少しずつ良くなっているんだ。だからきっと皆辞めた後はもっと良くなるだろうね!彼らの幸運を祈っているよ、そしてこれからもサポートしていくつもりだ。」

2016年ブラジルGPプレスカンファレンスでのフェリペ・マッサ
©Formula 1

Q:どうもありがとう。ルイス、今でも2008年の思い出はかなり大きいですよね。ここで初めてワールドチャンピオンになりました。あの時フェリペは優勝したレースの表彰台で素晴らしい尊厳を示しました。対戦者としての彼はどうでしたか?

ルイス・ハミルトン
「彼との戦いはすごかったね。僕らは何度かいい時間を過ごしていたんだ。僕がF1にくる前、GP2にいた時だね。僕らはすでに友人だったからいい思い出があるよ。でもうん、2008年以降は激しいバトルもあったよ。この時のことをきっと恋しく思うようになるだろうね。」

「ある段階で僕らはベテランの域に入るようになる。古いドライバーは替えられてゆくんだ。若いドライバー達を見ながらね。。F1はフェリペを恋しく思うようになるだろうね、きっと。」

Q:他のドライバーの方々、皆さんはフェリペのF1キャリア最後のここでのレースをどう思いますか?今週末のブラジルグランプリはどんな雰囲気になるでしょう?

ニコ・ロズベルグ
「素晴らしいだろうね。ブラジルのファンはここでフェリペに最高のサポートをするだろう。彼はF1に多くをもたらしてくれたから。スポーツにとっても僕達にとっても確実に損失になるだろうね。」

Q:マックスはどうですか?

マックスフェルスタッペン
「もちろんそうだよ。彼は成し遂げたいと思ったことを山ほどやってきたんだ。何年もの間F1ドライバーであったのもそうだし、4度もワールドチャンピオンシップを競い合ったんだからね。きっと彼にとってものすごく特別な瞬間になると思うよ。ブラジルグランプリはいつもすごくスペシャルだし、サーキットと雰囲気は格別なものになるだろうね。」

Q:セブ、あなたはここで何度か優勝しました。フェリペとのバトルも何度かあったと思います。あなたはどうですか?

セバスチャン・ベッテル
「そうだね、僕も。。うん、彼の才能について語る必要はないよね?彼はグリッド上で一番優れたドライバーだと思うよ。それは別として彼は素晴らしい人物だよね。彼は見たままの笑顔あふれる人物だよ、いつもどこででも笑顔でいるんだ。だから寂しく思うようになるだろうね。彼といられる時間は一緒に笑って彼の幸運を祈りたいと思っているよ。今週末はものすごい光景が見られるんじゃないかな、たくさんのブラジル国旗と彼に向けてのサポートをね。皆口を揃えて言うんだ、彼は素晴らしいキャリアを築いたって。そう、だから今週末は彼のものだよ。」

Q:ダニエル、最後に聞かせてください。

フェリッペ・マッサ
「気をつけて発言してよ!」

ダニエル・リカルド
「うん!僕は日曜日のドライバーズパレードが楽しみで仕方ないよ。いつも面白いんだもん
。僕がみてきた限りフェリペのチームメイトはいつもパレード中すんごく動機が激しくなってると思うよ。彼(バルテリ・ボッタス)は今回更にすごいことになるかもね。僕たちも多分面白いブラジルっぽい名前で怒鳴られると思うよ。いいユーモアだよね。雰囲気はとんでもないよ。今週末は素晴らしいファンに会えるだろうね。」

Q:ありがとう。ルイスとニコに戻ります。残り2レース、ニコは日曜日に優勝すればワールドチャンピオンです。ルイス、まだ勝ったことのないブラジルでの勝利に対するモチベーションは大きいと思います。双方の今の気分はいかかですか?緊張感は高まっているでしょうか。ニコ、まず初めに。。

ニコ・ロズベルグ
「はい、感覚はいいよ、確かに残り2戦だしワールドチャンピオンシップをかけてものすごい争いをしているから、うん胸が高なっているよ。楽しみだしもちろん優勝を目指しているよ」

Q:ルイス?
ルイス・ハミルトン
「はい、ここでは素晴らしいこともそうでないこともたくさんあったね。初めてのブラジルでの優勝に挑戦する機会だ。ニコとフェリペが以前経験したこと、それが僕の狙っているところだ。負けは望んでいない。」

Q:後ろの列にいるドライバーの方々、このサーキットは自然の形を生かし天気も読めません。彼ら二人(ルイスとニコ)と戦う余地はあるでしょうか?ダニエル。。

ダニエル・リカルド
「はい。ここはウエットになる可能性を秘めているよね。そうなるとレースは面白くなるよ。こちらは前の二人(ルイスとニコ)よりほんの少しプレッシャーがないんだけど、でも羨ましいよ。僕もそういうプレッシャーを感じてみたいね。とにかく、もし前に出る機会があればレースするよ、そのときになってみないとだけどね。もし雨が降れば面白くなるだろうね!日曜日をどう料理するか、うまくいけばいいレースができるだろうね。」

Q:セブ?

セバスチャン・ベッテル
「この場所はいつも何らかの要因で特別なレースになるよね。なんでかはわからないけど、サーキットは運転していて楽しいところだ。思うに雰囲気と天候、これが合わさってクレイジーレースが生まれてきたんじゃないかな。2008年のことを言っていたけど、2012年もかなりすごいレースだったんだよ!」

「日曜日は素晴らしいレースをするよ。むろん、僕らはチャンピオンシップを争っているわけではないけど、ここでの勝利の為に戦うんだ。まあ見てみようよ、天気も含めてね。何かする余地はあるはずだからね。」

Q:マックス、レースで勝ち目はありそうですか?

マックスフェルスタッペン
「いつもトライしているよ!でもブラジルでのミックスコンディション(雨が降ったりやんだり)の経験はないんだ。もちろんデレビではたくさん見てたけどね。でもいつもみたいになったら面白いね。去年はすごく楽しかったから今年は雨がやってくるといいな!週末が楽しみだよ。」

プレスカンファレンスPART2

(プレスカンファレンスルームではメキシコGPの映像が流された。チャーリーはそれについて答えるためにここにいます。)

Q:チャーリー、この映像には興味深い点がいくつかありました。スタート時のルイス、その後マックスが2コーナーをカットしました。この2つの違いについて話していただけますか?

チャーリ・ホワイティング
「はい、この2つの主な違いを簡単に伝えます。ルイスの場合は継続的なアドバンテージがなかったこと、マックスの場合はアドバンテージがあったということです。見ていただいたいくつかの映像を思い出してください。おそらく助けになると思います。」

「ご承知の通りルイスは始めに小さなミスをし2コーナーを横切ってかなりのアドバンテージを得ました。でもその後すぐにアクセルを戻しています。ストレートでわかりますよ。3コーナーと4コーナーの間のストレートでスロットルを80%にして速度を落としアドバンテージを戻しました。彼は明らかに大きなリードをしましたが数分後にはセーフティーカーが入り完全にアドバンテージはなくなりました。だからスチュワードは継続的なアドバンテージはないと判断したのです。一方マックスとセバスチャンについてですが、もしマックスがルイスと同じようにスロットルを戻していたら彼は確実にポジションを失っていたでしょう。だからスチュワードはペナルティーを受けて然りと判断したのだと思います。これがスチュワード目線からの基本的な違いです。」

Q:ドライバーに伺います。マックス、あなたはメキシコでコメントしていましたね。あなたの気持ちとしてはどうですか?何を見てチャーリーにはなんと言われましたか?

マックスフェルスタッペン
「はい、僕はこの決定に同意できないよ。この2つにほとんど違いなんてないよね?僕はペナルティーを受けた。もし僕がペナルティーなら両方に出すべきで、そうじゃないのならどちらにもペナルティーを科すべきではないよね。今後のためにも今の時点でスチュワードに干渉されないペナルティーに変える必要があると思う。僕らは答えを見つける必要があるよね。」

Q: ルイス、あなたはいかがですか?チャーリーはなんと?

ルイス・ハミルトン
「僕は相対的に見てチャーリーの説明に同意するよ。特に意見はないね。スチュワードはすごくすごく難しい仕事だと思うよ。彼(チャーリー)も言ってたけど状況はいつも異なるからね。例えば僕の場合はセーフティーカーがすぐに出た。毎回状況は少しずつ異なるからどれにも同じルールを当てはめるのは簡単ではないね。マックスの言うことにも同意できるよ。僕らはチャーリーも含めて共に働いているんだ。決定を下すのがもう少し簡単に、そしてわかりやすくなるように努力していかないとね。」

Q:オーケー。では次の興味深いトピックに移ります。今シーズンブレーキング時の動きについては議論がなされてきました。オースティンで明確にされましたがが、セバスチャンのダニエルに対する防御について話していただけますか?

チャーリ・ホワイティング
「ハンガリーで起きたキミとマックスを含む2つの審議が助けになるかと思います。これについてはドイツのドライバーズミーティングで徹底的に議論されました。総意としてブレーキング時に動くことはするべきではないということになりました。我々は同意し、そして日本GPでマックスとルイスの間に審議が起こります。ルイスは無線で『彼は動いた。ブレーキング時に動いたよ』と伝えました。レース後スチュワードは知っての通りペナルティーを科しませんでした。またオースティンで長い議論が行われ、スチュワードに意見を報告することをレギュレーションとして明確化しました。これが背景です。メキシコはこのルールが適用される初めての場所となりました。」

「ルールには3つの基本的なポイントが含まれます。ドライバーが危険を回避する行動を取らなければならない場合ブレーキングゾーンで危険な進路変更を行う場合、そして他のドライバーに危険を及ぼす可能性がある場合の3つです。スチュワードはこれに基づいて判断しペナルティーを下しました。スチュワードはセバスチャンがブレーキング時に動いたと判断しました。それは明確にデーターから読み取れ映像からもはっきりわかります。これは他のドライバーに危険を及ぼす可能性のある動きでもありました。我々は他の視点からの映像も見ました。2台の車をトラックの左側から見ると明らかです。セバスチャンは右に動き、ブレーキングゾーンに入って左に動きました。ダニエルは接触を回避する動きをしなければなりませんでした。そしてオンボードカメラの映像、ダニエルの右フロントタイヤにセバスチャンの左リヤタイヤが接触しました。かなり深刻なシナリオになった可能性もあります。これでお終いです。スチュワードが見る限りこの3つのポイントを満たしていたということです。」

Q:わかりました。ではドライバーに聞きます。最初にダニエルいかがですか?

ダニエル・リカルド
「はい、的確に説明されていたと思うよ、レース後スチュワードのところに行ったんだ。皆に見えないようにね、ファンのためにも他のドライバーのためにも。レース後に長い時間待たされたくないと思ったしね。車の動きについてはチャーリーが説明した通りだ。これまでブレーキングゾーンに入ったらお互い信頼の上で行動していた。特に追い越すときにはね。知っての通り僕らは議論しドライバーたちは自分で限界を定めたんだからね。ブレーキを踏んだときに後ろに誰かいたらもう詰んでるだ。動けないんだから。本当はできるのにコントロールしてはいけないんだ。と思うよ。そのため僕はブレーキ時にロックアップして乱暴にしターンインをしているんだよ。コントロールできないのではないんだ。一度ブレーキを踏んでしまうと多くを引き出すことができないんだ。ストレート上でもし誰かが防御のために避けることができる方向に動いたとしたら。。なんでもいいや、でも一度決めたことだから。だからこれは正しい判断だったと思うよ。第3者の視点で言えば、ファン目線から言えば理解するのが難しいよね。レースの後にそんなこと言われても。上手く言えないけど。。僕は激しく戦いたい。でもブレーキング時の動きを規制してしまったらできないんだ。このルール必要ないんじゃないの?」

Q:セブ、いかがですか?

セバスチャン・ベッテル
「そうだね、僕はこの決定に同意しないよ。僕は防御のために一度しか動いていない。ダニエルに十分なスペースを与えていたと思う。ブレーキング時にはほとんど車を真っ直ぐに維持していた。僕の視点から言わせてもらうとダニエルがあんなに悪いロックアップをさせたのは内側のグリップしない場所にいたからだ。知ってると思うけどね。他のコーナーでもラインを外してロックアップしていたドライバーがいたし。悪く捉えられすぎているように思うよ。僕はダニエルに危険を及ぼしたとは思っていない、まあでもいいさ。僕はこの決定に対処しなくてはならない。」

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