ルクレール、エンジニアに”心臓発作”級の冗談…キャリア初のハットトリックで3年前の悪夢の借り返す
燃焼異常によるフェイル・セーフによってキャリア初のF1ポール・トゥ・ウインの夢を奪われ早3年。シャルル・ルクレールは3月20日に行われた開幕バーレーンGPでフェラーリを1-2フィニッシュに導いた。
これはスクーデリアにとって、同じく1-2フィニッシュを飾った2019年のシンガポールGP以来、46戦ぶりの勝利となっただけでなく、ルクレールにとってキャリア初のハットトリック(ポールポジション、ファステストラップ、優勝)ともなった。
ポールシッターとして2022年の初戦に臨んだルクレールは、序盤のアンダーカットを含めて幾度にも渡ってターン1・4で激しい順位入れ替え戦を仕掛けてきたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を退け、全ラップリードのほぼ完璧なレースを披露した。
3年前の2019年のバーレーンGPでは、ポールからスタートして大量ギャップを築いたものの、終盤に向けてパワーユニットにトラブルが発生。1周あたり5秒近くもスピードが低下し、後続のメルセデス2台に道を譲る事となった。
57周のレースを終えて「2019年の失望を埋め合わせる事はできたか?」との質問に対してルクレールは次のように答えた。
「ああ、良い気分だよ。ファイナルラップに無線で『なんだかエンジンが少しおかしい』って冗談を言ったからエンジニアの何人かは心臓発作を起こしたと思うけど、すべて順調だった。今回はこうしてクルマを持ち帰れて本当に幸せだよ」
「ああ、本当に嬉しいよ。何度も言うようだけど、フェラーリにとってこの2年間は信じられないほど大変な時期だったからね。でも今回は大きなチャンスがあると思ってた」
「ポールポジション、優勝、ファステストラップ、そしてカルロス(サインツ)とのワン・ツーと、これ以上望むものはないくらい最高の形でシーズンをスタートできた」
「過去数年間に渡って僕らを支え続けてくれたみんなに感謝したい。簡単なことではなかったけど、こうしてトップに返り咲くことができた。信じられない気分だ」
「シーズンを迎えるにあたって、過去2年間より良い位置にいることは分かってたけど、自分たちがどの位置にいるのかについて正確には分かってなかった」
「厳しいレースだったけど、持てるすべてを出し切った。後続に対してマージンを築いてレースをコントロールしてる実感があったし、ギャップを上手くコントロールできていた」
「でも1回目のピットストップの後は少し厄介だった。マックス(フェルスタッペン)が3度も仕掛けてきたから、その度にポジションを取り戻さなきゃならなかった」
「それにセーフティカーが導入された事で、それまでに築いたギャップが消えてしまい、またゼロからやり直さなきゃならなかった。最高のリスタートを決めないとって思ってたから、上手くやれて本当に嬉しい」
「今年はマシン開発が例年以上に重要になるはずだ。常にトップに留まり続けなきゃね」
チーム代表を務めるマッティア・ビノットは表彰台の上でトロフィーを受け取った後、「今日のレースは過去2年間に渡るマラネロのチームの仕事の成果だ。この結果には本当に満足だよ」とレースを振り返った。
「再びトップを争う事ができて嬉しい限りだ。これは今季の目標でもある」
「F1で勝利するためには全てを完璧に行わなければならない。ドライバー、F1-75、戦略を練ったエンジニア、ピットストップで完璧な仕事をしたメカニックなど、チーム全員がそれをやってのけたのだ。誇らしい」
「今夜はコンストラクターズ・トロフィーを受け取るために表彰台に上りたいと思っていた。それがここバーレーンとホームにいるチーム全体を代表する最善の方法だと思ったからだ。正直なところ、感動的な瞬間だった」
「厳しい状況の中でさえ変わらずいつも我々を支えてくれているファンの事を思うと、イモラに行って彼らの前でレースをするのが待ち遠しいよ」
ジェッダ市街地コースを舞台とする次戦サウジアラビアGPは3月25日のフリー走行1で幕を開ける。