ハミルトン、W14のコンセプトを疑問視…今後の”3強”はメルセデスに代わりアストンか
トップから0.636秒落ちの8番手で終えた3月3日(金)のF1第1戦バーレーンGPのFP2を経てルイス・ハミルトンは、メルセデスの競争力は昨年以上に悪いとして、W14の現行コンセプトを疑問視した。
バーレーン・インターナショナル・サーキットでの初日、メルセデスW14はショートランでもロングランでもレッドブル及びアストンマーチに劣っていた。低速コーナーではアンダーステアが酷く、立ち上がりでトラクションを欠き、ジョージ・ラッセルに至っては13番手止まりだった。
2022年からの挽回を目指すべく臨んだ最初の1日目に早くも躓いたハミルトンは、自分たちは「遥かに遅れを取っている」とした上で、「レッドブルに至ってはロングランで1秒半も速い」と指摘した。
「フェラーリが2番手だと思っていたけど、ロングランでは僕らと差がなく、アストンマーチンが2番手で、僕らは3番手か4番手といったところだ」
本来であればウィンターブレイクを経てレッドブル及びフェラーリとのギャップを縮めたいところであったが、ハミルトンは「今ほど差は大きくなかった」と述べ、昨年よりも競争力が低下したとの考えを示した。
とは言えシーズンはまだ始まったばかり。チャンピオンシップは9ヶ月間の長丁場だ。マシン開発を通して巻き返せるだけの時間はまだ十分に残っている。
だがハミルトンは「僕らは間違った方向に進んでいる」として「その差をいつか縮めることができると信じているかって? そうだね…でも、僕らのコンセプトではかなり難しいと思う」と付け加えた。
タイトル争い復帰に向けて生み出された「W14」は、レッドブルとフェラーリに敗れ去った昨季型「W13」のサイドポッド思想を踏襲するものだった。
パドックでは、シーズン中のアップグレードによってメルセデスが「レッドブルやフェラーリのようなスタイル」に移行する準備を整えているとの見方もあるが、ハミルトンは予算上限ルールに触れて「プランBなんてありえない」と一蹴している。
「今はコスト削減の時代だ。クルマのデザインをやり直すには振り出しに戻らなきゃならない。そんな暇はない」
メルセデスのような大規模なチームはかつて、問題が生じても解決のために大量の資金を投じる事が可能であったが、今はコストキャップと空力テスト制限が課される時代であり、チームは慎重な開発を余儀なくされている。
これからの時代の”トップ3”はレッドブル、フェラーリ、アストンマーチンの3者を指す言葉となるのだろうか?
ラッセルは「かなり手強そうなチームは幾つかあるけど、その中で最大のサプライズがアストンマーチンである事は明らかだ。彼らは間違いなく、冬の間に本当に良い仕事をしてみせた」とライバルの仕事ぶりを称賛した。
エンジニアリング・ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは「ロングランよりシングルラップの方が問題のようだが、どちらも十分とは言えない」として、2日目に向けて「幾つかのアイデア」を検討していく考えを明らかにした。
バーレーングランプリ3回目のフリー走行は日本時間3月4日(土)20時30分に、公式予選は同24時に、そして決勝レースは5日(日)24時に開始される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。