インディカー、コックピット保護デバイス「AFPデブリ・デフレクター」を実戦投入
NTTインディカー・シリーズは、最新型のコックピット保護デバイス「高度前面保護デブリ・デフレクター(Advanced Frontal Protection debris deflector)」を開発。4月24日にインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)で開催されたインディ500オープンテストでお披露目した。
コックピット前方中心部にボルトオンされた小さなパーツはチタン製で、飛散するデブリを弾いてドライバーを守るように設計されている。AFPは僅か2.8ポンド、1.27kg程の重量に収められており、F1のヘイローと比較すると圧倒的に軽く、マシンパフォーマンスへの影響は限定的だ。価格は1個5,000米ドル。上部にはオンボード映像用の送信アンテナが装着される。
AFPは2012年から検討・開発が行われていたデバイス。実戦投入に際しては念入りな調査が行われ、インディカー・シリーズ5度のチャンピオンであるスコット・ディクソンがシミュレーターでテストを実施。実装に際して問題がないことを確認した。
インディカーはキャノピー型のコックピット保護デバイスの投入を目指し、ウインドスクリーンの開発に取り組んでいる。昨年、ディクソンとジョセフ・ニューガーデンがフェニックスとIMSでプロトタイプをテストしたものの、更なる改善が必要と判断。実戦投入には至っていない。
インディカー会長のジェイ・フライは「これは(コックピットの安全を確保する)ソリューションのフェーズ1だ」と語り、初期段階のデバイスである事を強調する。
「5月には、次の対策をアナウンスするつもりだ。これは対策Xにおけるフェーズ1であり、その他にもYやZといったプロセルに取り組んでいる」
AFPは、第103回インディアナポリス500マイルレースのプラクティス以降の全てのセッションでの搭載が義務付けられる。