ハロ装着マシンのオンボード映像

驚きの視界の悪さ…”ハロ”装着マシンのオンボード映像!でも問題なし。その理由とは?

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F1ドライバー達はマシンの運転中にハロで視界を妨げられたりしないのだろうか?運転に支障はないのだろうか?

F1は今年2018年より、マシン前方から飛来するデブリ等の危険物からドライバーの頭部を守るためのデバイス「ハロ」の導入を義務付けた。コックピット前方中央には、支持体の柱が視界を遮るようにそびえ立つ。

メルセデスAMG W09
© Steve Etherington for Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

ハロを装着した次世代F1マシンが次々とアンベイルされる中、2月22日にシェイクダウンを終えたメルセデスが、バルテリ・ボッタスがドライブする新車「F1 W09 EQ Power+」のオンボード映像を公開。動画はボッタスのヘルメットに取り付けられたカメラで撮影されており、ドライバー視点でハロがどのように見えるのかを伝えてくれる。

想像以上に視界が狭く、車体とハロとを接続する正面の柱が非常に気になる。ただでさえヘルメットを被り視界が狭いのに、目と鼻の先にあのような構造物があるのだからやむを得まい。だが、走行を担当したボッタスは視界について何ら問題ないと語り、他の多くのドライバーたちもこれに同意している。

確かに、撮影場所となったシルバーストーン・サーキットはコース全周が高速コーナーで構成されており、真正面を見る機会は殆どない。正面を見る必要が無いのだから気にならないのかもしれない。だが、ドライバー達が問題ないと言い張るのには恐らく別の理由があるはずだ。

そのヒントはこのオンボード映像にある。公開されたこの動画は、実際の視界を忠実に再現してはいない。再現していないというよりも、再現できないのだ。ドライバー達はこれとは違う景色を見ている。

カメラは単眼だが人間は複眼。人の目は左右に一つずつ備わっており、異なる位相からの2つの図像を脳内処理して認識する。実際にコックピットに座ると、動画とは異なり正面のハロが透けているように見えるはずだ。

試しに、親指を立てた自分の手を目の前に持ってきてもらいたい。両目を開けた状態で親指に焦点を合わせるとその奥の景色は親指によって隠れてしまうが、奥に視点を持っていくと親指が透けているように見える。オンボード映像で見るよりも、実際には遥かに視界良好なのだろう。

とは言え、全く問題がないかと言えば話は別だ。ハロを装着してのレースはまだ一度も行われておらず、実際どのような影響があるのかについては実戦を待たねばならない。テストでの単独走行とガチンコバトルが行われる集団の中での走行とを一律に語る事はできない。

終始アクシデントなくチェッカーフラッグが振られれば特に問題ないかもしれない。だが、例えばモンツァ・サーキットのホームストレート(時速350km)のような高速直線コースで、レーシングライン上400m位先の前走マシンが突然失速した場合、ドライバーはこれを視認し即座に対処できるだろうか?同様のシチュエーションでデブリが落ちていた場合、回避できるのだろうか?

あなたはハロの導入をどう思いますか?