「来年メルセデスに立ち向かうにはエンジンの更なる進化が必要」とベッテル / F1アブダビGP《決勝》
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11月26日(日)に行われた2017年シーズン最終アブダビGPで2位表彰台を獲得したセバスチャン・ベッテルは、バルテリ・ボッタスからドライバーズランキング2位を守りきった。レースを終えたベッテルは今年一年を振り返り、来年宿敵メルセデスを倒すためには、エンジンの更なるパワーアップが必要だとの見解を示した。
シーズン前半で4勝を挙げタイトルをリードしていたベッテルだが、後半はマシンの信頼性不足もあり失速。裏を返せば、メルセデスがシーズン中の開発でフェラーリを上回ったとも言える。だが実際には、ルイス・ハミルトンがミスなくポイントを取り続けた事が明暗を分けた。
ハミルトンが全戦でポイント獲得したのに対して、ベッテルは第14戦シンガポールと第16戦日本GPの2つのレースでリタイヤ。シーズン終えての両者のポイント差は46、仮に状況が逆であればベッテルがタイトルを獲得していた事になる。
ロングホイールベースのメルセデスW08は、得意不得意のコースがあった一方、フェラーリSF70Hはどのようなコースでも安定して速さを見せた。だが、最終アブダビGPが象徴的なように、パワーセンシティビティが高いサーキットでの両者の差は大きく、ベッテルはアブダビで優勝したボッタスに20秒もの大差を許してしまった。
ボッタスは終始ペースをコントロールしており、常に全開走行をしていたわけではない。実際には1周あたりコンマ5秒以上の差があったと見られ、来季タイトル争いをするにはあまりにも大きなギャップを言わざるを得ない。エンジン性能の向上がなければ、ベッテルの指摘する通り来年も今年と同じようにメルセデスが優勝をかっさらう事になるだろう。
パワーユニットの出力アップが必要不可欠
セバスチャン・ベッテル決勝: 4位
レースの殆どが孤独な戦いだったね。燃費がきつかったから、最後のスティントの最初の方で少しばかり燃料をセーブしなきゃならなかったよ。アドレナリンが出るようなレースじゃなかったけど、たまにはこういう事もあるさ!僕らには十分な速さがなく、予想していたよりも厳しい結果になってしまった。でも、この状況に甘んじてるようじゃフェラーリのネバー・ギブアップ精神に反する。まだ改善の余地はあるしみんなのモチベーションもかなり高いから、来シーズンを楽しみにしてるよ。
目の前のチャンスを活かしてみたけど、色んなところで些細なミスが重なってしまった。でも、もう2度とそんな事は起きないはずさ。どこか特定のレースでチャンピオンシップを落としたとは思ってない。各々のレースに挑み、取れるポイントを取る。それが十分じゃなかっただけなんだから。
来年もチームの皆とベストを尽くし攻め続けるって約束するよ。シャシーは初日から本当に強さがあったし、今年のマシンは大幅に進化したと思う。エンジンも大きなステップアップを果たしたと思うけど、他のライバルに比べれば更なるパワーアップが必要だね。でも、一番大事な事は、自分たちがチームとしてどうなりたいかって事にフォーカスすることだと思う。
今季最後のレースは、ポールポジションスタートのバルテリ・ボッタスがそのまま逃げ切りポール・トゥ・ウイン。2位にはルイス・ハミルトンが続き3位以下を大きく引き離してフィニッシュ、チャンピオンチームの独壇場となった。決勝の詳細は、2017年F1アブダビGP決勝順位結果を参照されたい。