ホンダF1の山本雅史マネージング・ディレクターと抱き合って勝利を喜ぶレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表、2020年F1アブダビGP決勝レースにて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブルF1、ヤス・マリーナでV6ハイブリッド時代初勝利「全てはホンダのおかげだ」とホーナー

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ヤス・マリーナ・サーキットでの55周に及んだ長き最終レースを終えて、週末とシーズン全体を振り返ったレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は「全てはホンダのおかげだ」と述べ、日本のエンジンパートナーへの感謝を表明した。

1.6リッターV6ハイブリッド・ターボエンジンが導入された2014年以降、アブダビGPではメルセデスがポールと勝利を独占し続けてきたが、その記録は勝利に飢えたレッドブル・ホンダによって6年で終止符が打たれた。

今季2勝目を目指すマックス・フェルスタッペンは、僅差の頂上決戦でポールポジションを獲得すると、決勝では一度たりともメルセデス勢を寄せ付けない力強い走りを披露。2番手バルテリ・ボッタスに16秒差を付けてトップチェッカーを受けた。優勝に加えて、ポールポジションと全周リードを記録する圧勝だった。

クリスチャン・ホーナーは「挑戦的で波乱に満ちた2020年シーズンを締め括るに際して、勝利以上に最高な形は存在しない」と述べ、待望の2勝目を喜んだ。

「ポールポジションを獲得し、ここでメルセデスを真っ向勝負で叩きのめしたのは、2013年にベッテルと共に優勝して以来初めての事で、その意味でマックスは驚異的なパフォーマンスを発揮してくれた」

「マックスは週末を通してずっと最高の走りを披露していた。予選ではラップを完璧にまとめ上げ、今日はそれをキャリア10勝目に結びつけてみせた」

もう一台のRB16を駆るアレックス・アルボンも奮闘を見せた。

セルジオ・ペレスへの交代が噂される中、アルボンは5番グリッドからスタートし、6周目にランド・ノリスを交わして4番手に浮上。その順位のままチェッカーフラッグを受けたが、最終盤には3位ルイス・ハミルトンの2秒以内に迫る場面もあった。

クリスチャン・ホーナーは「アレックスの方も今シーズンの中でほぼ間違いなく最も好調な週末を過ごし、レースではルイス(ハミルトン)の真後ろ、4位のポジションでフィニッシュした。総じて我々は、今回チームとして非常に強力なパフォーマンスを発揮したと言える」と語り、次のように続けた。

「全てはホンダのおかげだ。彼らは今季ペナルティを受けなかった唯一のエンジンメーカーであり、今シーズンは我々と2勝を達成した」

「厳しい状況の中、シーズンを通して勢いを維持できるように、最後までRB16の開発を続けてくれたミルトンキーンズの全スタッフにも心からの感謝を伝えたい」

「また、今日という日は、アストンマーティンとのタイトル・パートナーシップの終わりに相応しいものであった。来年のパドックで再会できる事を楽しみにしている」

「今年はジェットコースターのようなシーズンだった。火曜日のテスト後に、みんなが思う存分、休息を楽しんでくれる事を願っている」

タッグを組んでの2シーズン目のレッドブル・ホンダは、優勝2回、表彰台13回、ポールポジション1回、ファステストラップ3回、リタイヤ7回で計319ポイントを獲得し、コンストラクター・ランキング2位という結果に終わった。

コンスト2位は2016年以来の好リザルトだが、全21戦で行われた昨季と比較すると、1戦あたりの平均獲得ポイント数は2019年の「19.86点」に対し、2020年は「18.76点」と後退した。

その理由の最たるものはリタイヤだ。

マシンの信頼性不足や事故などの理由によってレースをフィニッシュ出来なかった数を見てみると、2019年が1レースあたり「0.19回」であるのに対して、2020年は「0.41回」と2倍に達している。

フェルスタッペンは今年、5回のDNFを記録したが、完走した12レースでは全てポイントを獲得しており、完走1レースあたりの平均獲得ポイント数は「17.8点」に達する。つまり完走してさえいれば獲得が期待できたポイントが89点という事だ。リタイヤによって失った潜在的なポイントが如何に多いかが分かる。


F1サーカスはこれより束の間のオフを迎える。2021年シーズンは12月15日(火)のポストシーズンテストと、年明け後のプレシーズンテストを経て、3月21日のオーストリアGPで開幕を迎える。

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