メルセデス、39戦連続リードラップ記録潰える「今日のレッドブル・ホンダの速さは驚異的だった」
シーズン全体を通してみれば”圧勝”だが、シーズン最終戦のみを切り取ると”完敗”だった。2020年シーズンの最終第17戦アブダビGPは、様々な点でチャンピオンチームの連続記録を終わらせるイベントとなった。
潰えた3つの連続記録
体調万全とは言い難いもののシーズンフィナーレに向け、ルイス・ハミルトンはCOVID-19陽性の隔離生活からカムバック。しかしながら、僚友バルテリ・ボッタス共々、土曜の公式予選ではレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンを抑える事は出来ず、それぞれ2-3番グリッドに甘んじた。
巻き返しを狙ったレースでの逆転も叶わず、フェルスタッペンは2位ボッタスに15.9秒という大きな差を付けてフィニッシュラインを駆け抜けた。全周ラップリードのおまけ付きだった。
メルセデスは2014年に始まったV6ハイブリッド時代の中で初めて、ヤス・マリーナ・サーキットでのポールポジションを失っただけでなく勝利をも逃し、更にはF1史上最多記録を更新中であった39戦連続リードラップ記録を終わらせる事となった。
レッドブルの速さに意表を付かれたハミルトンとボッタス
2年連続でのドライバーズチャンピオンシップ2位を獲得したボッタスは「今日のレッドブルは速過ぎた。驚くような速さだった」とレースを振り返った。
「レースペースは僕らと大差ないと思ってたんだけど、彼らはレース全体をコントロールする余裕すらあって、必要に応じてギャップを築く余力を持っていた。できる限りの事をしようと頑張ったけど、付いていく事はできなかった」
「少なくともクリーンで悪くないレースだったし、スタートも問題なかったから、シーズンの終わり方としては好ましくなかった」
「最終戦でレッドブルに負けたという事実がチームに奮起を促す事は間違いない。来シーズンに向けて冬の間により一層の努力を重ねる事になるだろう。二度とこのような事を起こさないためにね」
MGU-Kの信頼性に不安を抱えた事で、今週末のメルセデスPU勢は予定よりも出力を抑えての走行を余儀なくされていたが、タイムを失っていたのはストレート区間ではなかった。
チーム代表のトト・ウォルフは苦戦の原因について、2台共がアンダーステアに苦しみ、肝心の最終セクターだけでなく、セクター2の始まり、つまり左右左と続く低速のターン5からターン7でもかなりのタイムを失っていたと説明した。
フィジカル的な仕上がりが100%とは言えない状態で55周のレースに挑んだハミルトンは、体調を考慮すれば3位表彰台は「凄く嬉しい結果」だと語った。
「過去数週間の状況を考えると、表彰台で終われて本当に満足だ。もちろん、期待していた程良くはなかったけどね」とハミルトンは語る。
「マックス(フェルスタッペン)とレッドブルを祝福したい。今日の彼らは本当に速かった。勝利に値する」
「今週末は大きく離されてしまい、彼らのペースに付いていく事ができなかった。アレックス(アルボン)が僕の背後に迫っていたのもファンタスティックだった。僕にとってはハードなレースだったから、無事にフィニッシュできてホッとしたよ」
2020年 メルセデス戦歴
ハミルトン | ボッタス | |
---|---|---|
出走 | 16回 | 17回 |
優勝 | 11回 | 2回 |
表彰台 | 14回 | 11回 |
ポールポジション | 10回 | 5回 |
フロントロー | 13回 | 14回 |
ファステストラップ | 6回 | 2回 |
入賞 | 16回 | 14回 |
Q3進出 | 16回 | 17回 |
決勝最高位 | 1位 | 1位 |
ベストグリッド | 1番手 | 1番手 |
DNF | 0回 | 1回 |
ランキング | 1位 | 2位 |
ポイント | 347点 | 223点 |
12月13日(日)にヤス・マリーナ・サーキットで行われた2020年F1最終第17戦アブダビ・グランプリ決勝レースでは、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペンが今季2勝、通算10勝目を上げて優勝した。2位はバルテリ・ボッタス、3位表彰台にはルイス・ハミルトンが滑り込んだ。
F1サーカスはこれより束の間のオフを迎える。2021年シーズンは12月15日(火)のポストシーズンテストと、年明け後のプレシーズンテストを経て、3月21日のオーストリアGPで開幕を迎える。