レッドブル・ホンダ、2013年以来のヤス・マリーナでのポール「知っての通りフェルスタッペンは頼りになる男だ」
ホンダ製F1パワーユニット「RA620H」を搭載するレッドブル・レーシングは、12月12日の今季F1の最終戦、アブダビGP公式予選で、マックス・フェルスタッペンが今シーズン初となるポールポジションを獲得した。
前戦サクヒールGPでは1000分の56秒差でポールを取り損ねるなど、これまでに何度か惜しい週末もあったが、フェルスタッペンは今年長らく3番シートに甘んじ続けてきた。
英国ミルトンキーンズのチームにとって、アブダビでのポールは2013年以来初めての事であり、この時はセバスチャン・ベッテルがポール・トゥ・ウインを飾っている。だがそれ以降アブダビでは、メルセデスが予選・決勝共に全勝を挙げ、完全な支配下に置いてきた。
今年はこれまで、メルセデス製F1パワーユニット以外がポールポジションを獲得した事はなかった。そんな記録を打ち破ったのは、ルノーでもフェラーリでもなくホンダであった。
ポールポジションを獲得し、パルクフェルメでガッツポーズを取るフェルスタッペン / © Red Bull Content Pool
チーム代表のクリスチャン・ホーナーは予選を振り返り「今年は何度も3番手の席に甘んじてきたが、彼は最後に素晴らしいラップを繋ぎ合わせてみせた」と語り、フェルスタッペンの走りを称賛した。
「トップ3台のギャップはコンマ1秒以下という接戦だった。彼は先週ポールを取り損ねたが、ここではラップをまとめ上げ、こうしてポールを手にした。驚異的なパフォーマンスだ」
「御存知の通り、彼は頼りになる男だ。常に限界を投じて今日のように驚くべき結果を持ち帰ってきてくれる」
「明日のレースでこれを素晴らしいリザルトへと繋げる事が重要だ。今年は本当に困難なシーズンだったが、誰もが皆、本当に懸命に働いてきた。それがこうして結実した。チームとして取り組んできた事の全てがここに集約されている」
「チームは今年、マシンを改善し続けてきたし、それと同時に今季の最速ピットストップタイムのトップ9を独占している。これはクルーの見事な活躍を象徴するものだ」
チームメイトのアレックス・アルボンは、曰く「セクター1で攻め過ぎた結果、タイヤが最後まで保たなかった」ため、Q3最終アタックでタイムを更新できなかったが、それでもなんとか5番手に付けた。フェルスタッペンは2-3番手のメルセデス勢と同じミディアムタイヤを、アルボンはソフトタイヤを履いてグリッドに着く。
「過去4・5戦と同じように接近するなど、今日はアレックスも良い仕事をしてくれた。明日のレースでは重要な役目を果たしてくれるだろう」とホーナーは続ける。
「ソフトタイヤとミディアムのレースペースに大きな違いはないと思うが、それでもなお序盤のペースは良いはずだから、明日は良いスタートを決めて先頭争いをしてもらいたいと思っている」
今季最後のグリッド争いでは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがキャリア3度目のポールポジションを獲得。1.6リッターV6ハイブリッド時代としては初めて、メルセデス以外がアブダビで予選最速を刻んだ。
2020年シーズンのF1のフィナーレを告げる第17戦アブダビ・グランプリ決勝レースは、日本時間12月13日(日)22時10分にスタート。1周5,554mのヤス・マリーナ・サーキットを55周する事で勝敗を決する。