ピレリF1、カタールの悪夢再来を懸念…新生ヤス・マリーナの「攻撃的な縁石」への対処法をFIAと協議
ヘッド・オブ・カーレーシングとしてピレリF1の現場を統括するマリオ・イゾラはアブダビGPの初日セッションを終えて、改修されたヤス・マリーナ・サーキットの新しい”攻撃的”な縁石に懸念を抱いている事を認めた。
追い抜き促進のために改修されたヤス・マリーナでは、特にターン5とターン9の出口の縁石がカタールGPで問題を引き起こしたと考えられている縁石に酷似していた事から、週末を前に一部から懸念する声が上がっていた。
ロサイル・インターナショナル・サーキットで行われたカタールGPでは、4名のドライバーがレース中に相次ぎタイヤが破損するトラブルに見舞われた。ピレリはこれについて、縁石による想定外の負荷が原因との初期調査結果を公表している。
イゾラは10日(金)の2回のフリー走行を終えて、ターン5・9の縁石がロサイルのそれに「非常に似ている」として「現在、この問題に対する解決策についてFIAと協議しているところだ」と説明した。
「全く同じではないものの、あれは非常にアグレッシブだ。ターン1~4、16は昨年と同じだが、ターン12~15の縁石は変更された。そしてそれらはより攻撃的だ」
「コーナーのエイペックスにも昨年までとは異なる縁石があるが、あれは別だ」
「まず第一にエイペックスでタイヤに掛かる負荷がない事が挙げられる。そして第二には、ドライバーが気をつける事ができるからだ」
「私が心配しているのはコーナー出口にある縁石だ。特にターン5とターン9の縁石が一番アグレッシブだ」
「予選では必ず縁石を使うことになるし、プッシュしている状況であればレース中にも使われる事になるだろう。考慮すべき材料だ」
「明らかにカタールとはスピードやタイムといった状況が異なるが、いずれにしても考慮すべきだという事に変わりはなく注意が必要だ」
イゾラは金曜フリー走行で使われたタイヤをいつものように分析するとしながらも、昨年と比べて各プラクティスの時間が60分へと短縮されたために周回数という点でレースとは大きな開きがある事から、問題の兆候を見つけ出すのは難しいと説明した。
ただその一方で、レースディレクターを務めるマイケル・マシを含むFIAが何らかの解決策を見つけ出すだろうと楽観視した。
F1アブダビグランプリ3回目のフリー走行は日本時間12月11日(土)19時から、公式予選は同22時から1時間に渡ってヤス・マリーナ・サーキットで開催される。