2026 F1バーレーンテスト1の数値が示す現在地、ドライバー/チーム/エンジン別の最速タイム&周回数

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2月11日(水)から13日(金)までの3日間にわたり、バーレーンGPの舞台であるバーレーン・インターナショナル・サーキットで、開幕戦オーストラリアGPに向けたF1公式プレシーズンテストが開催された。ここでは、ドライバー/チーム/エンジン別の周回数や最速ラップタイムをまとめつつ、各チーム/陣営の開幕戦に向けた準備状況を探る。

車体製造の遅れによりバルセロナ・シェイクダウンを欠席したウィリアムズを含む全11チームが参加した。各チームは3日間の走行枠を利用し、システムの動作確認と信頼性チェック、空力データの収集、セットアップの探求に取り組んだ。また一部のチームは、予選および決勝のフル・シミュレーションにも取り組んだ。

最速ラップタイム

バーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するジョージ・ラッセルのメルセデスW17、2026年2月12日(木) F1プレシーズンテスト2日目Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

バーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するジョージ・ラッセルのメルセデスW17、2026年2月12日(木) F1プレシーズンテスト2日目

1月末のバルセロナ・シェイクダウンでは、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)が昨年の決勝レースにおける最速タイムに0.605秒差と迫るベストラップを刻んだ。

一方、今回のバーレーンテストでは、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がフェラーリ勢を抑え、昨年の決勝ファステスト・ラップを1.471秒上回る1分33秒669を最終日にマークした。これは開幕に向けた準備が一層進展していることを示すものだ。

トップ10に名を連ねるランド・ノリス(マクラーレン)やマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、エステバン・オコン(ハース)のベストラップは初日に記録されたものであり、タイムシートに残る数値を額面通りに受け止めることはできない。ノリスに至っては、C3ではなくC2でのタイムだった。

それでもなお、最終日のレース・シミュレーションを見ても、メルセデスの優位性は確かなものに映る。フェラーリの追随を許さず、マクラーレンに対しては明確にリードしているようだった。

タイムシート上ではメルセデスがフェラーリにコンマ5秒差をつけているが、実際のアドバンテージがそれにとどまるかどうかは不透明だ。シャルル・ルクレール(フェラーリ)は、メルセデスが「膨大なパフォーマンス」を隠しているとの見方を示している。実際、コース上でのメルセデスW17は他車に見られるような扱いづらさがほとんど感じられず、どのマシンよりも安定しているように見えた。

バーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)のRB22、2026年2月11日(水) F1プレシーズンテスト初日 (2)Courtesy Of Red Bull Content Pool

バーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)のRB22、2026年2月11日(水) F1プレシーズンテスト初日 (2)

レッドブルは、初の自社製パワーユニット、とりわけデプロイメント面での優位性が高く評価されているが、本格的なシミュレーションには至っておらず、現時点では、いわゆる“ビッグ4”の一角に位置するとみられるものの、明確な序列を判断することは難しい。

現状、「ベスト・オブ・ザ・レスト」の位置についているのはハースに見える。オコンはテスト初日、総合8番手となるベストラップを刻んだ。一方で、トップ4チームとの間には大きな溝があるとの見方が多い。

ドライバー別:最速アントネッリ、最遅アロンソ

順位 ドライバー タイム 差 タイヤ DAY
1 アンドレア・キミ・アントネッリ 1:33.669 0.000 C3 3
2 ジョージ・ラッセル 1:33.918 0.249 C3 3
3 ルイス・ハミルトン 1:34.209 0.540 C3 3
4 シャルル・ルクレール 1:34.273 0.604 C3 2
5 オスカー・ピアストリ 1:34.549 0.880 C3 3
6 ランド・ノリス 1:34.669 1.000 C2 1
7 マックス・フェルスタッペン 1:34.798 1.129 C3 1
8 オリバー・ベアマン 1:35.394 1.725 C3 2
9 エステバン・オコン 1:35.578 1.909 C3 1
10 アイザック・ハジャー 1:35.610 1.941 C3 3
11 フランコ・コラピント 1:35.806 2.137 C3 3
12 ニコ・ヒュルケンベルグ 1:36.291 2.622 C3 3
13 アレックス・アルボン 1:36.665 2.996 C3 3
14 ガブリエル・ボルトレート 1:36.670 3.001 C3 2
15 ピエール・ガスリー 1:36.723 3.054 C3 2
16 リアム・ローソン 1:36.808 3.139 C3 3
17 バルテリ・ボッタス 1:36.824 3.155 C3 2
18 カルロス・サインツ 1:37.186 3.517 C2 3
19 セルジオ・ペレス 1:37.365 3.696 C3 3
20 アーヴィッド・リンブラッド 1:37.470 3.801 C3 2
21 ランス・ストロール 1:38.165 4.496 C3 3
22 フェルナンド・アロンソ 1:38.248 4.579 C3 2

チーム別:最速メルセデス、最遅アストン

順位 チーム タイム 差 DAY
1 メルセデス
アンドレア・キミ・アントネッリ
1:33.669 0.000 3
2 フェラーリ
ルイス・ハミルトン
1:34.209 0.540 3
3 マクラーレン
オスカー・ピアストリ
1:34.549 0.880 3
4 レッドブル
マックス・フェルスタッペン
1:34.798 1.129 1
5 ハース
オリバー・ベアマン
1:35.394 1.725 2
6 アルピーヌ
フランコ・コラピント
1:35.806 2.137 3
7 アウディ
ニコ・ヒュルケンベルグ
1:36.291 2.622 3
8 ウィリアムズ
アレックス・アルボン
1:36.665 2.996 3
9 レーシングブルズ
リアム・ローソン
1:36.808 3.139 3
10 キャデラック
バルテリ・ボッタス
1:36.824 3.155 2
11 アストンマーティン
ランス・ストロール
1:38.165 4.496 3

総周回数

バーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するアレックス・アルボン(ウィリアムズ)のFW48、2026年2月11日(水) F1プレシーズンテスト初日Courtesy Of Williams

バーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するアレックス・アルボン(ウィリアムズ)のFW48、2026年2月11日(水) F1プレシーズンテスト初日

バルセロナ・シェイクダウン終了時点で懸念が向けられていたのは、アストンマーティン・ホンダとウィリアムズだった。だがウィリアムズは、バーレーンで全チーム最多の425周を走破し、懸念を大きく払拭した。

一方のアストンは、全チーム中最少の206周にとどまった。ペース面での兆しも乏しく、ランス・ストロールは「トップから4〜4.5秒遅れている」と厳しい見方を示した。フェルナンド・アロンソは「最適化できれば数秒は縮まる」としつつも、「開幕戦で最速になることはない」と現実的な見解を示している。エイドリアン・ニューウェイ体制とホンダのワークス支援という“新時代”の幕開けとしては、非常に厳しい滑り出しが続く。

バーレーン・インターナショナル・サーキットで周回を重ねるフェルナンド・アロンソのアストンマーティン・ホンダAMR26、2026年2月11日(水) F1プレシーズンテスト2日目Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

バーレーン・インターナショナル・サーキットで周回を重ねるフェルナンド・アロンソのアストンマーティン・ホンダAMR26、2026年2月11日(水) F1プレシーズンテスト2日目

バルセロナで最多周回を記録したメルセデスは、今回は10番手と大きく後退した。パワーユニットを含む技術的トラブルに見舞われたことが一因だが、同時に周回数の積み上げよりも、より実戦を見据えたプログラムに重点を置いていた証左とも言える。

新規参戦組は巻き返しを果たした。スリムな新型サイドポッドが注目を集めたアウディは、同じく初の自社製パワーユニットを搭載するレッドブルを上回り、355周で5番手につけた。キャデラックも冷却面に課題を抱えつつ、バルセロナの倍近い周回数を記録した。両チームとも大躍進を期待できる状況にはないが、信頼性の面で評価を落とすことはなかった。

バーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するガブリエル・ボルトレート(アウディR26)、2026年2月13日(金) F1プレシーズンテスト3日目Courtesy Of Audi

バーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するガブリエル・ボルトレート(アウディR26)、2026年2月13日(金) F1プレシーズンテスト3日目

レッドブルに関しては、新参メーカーゆえに大きく出遅れるのではないかとの懸念もあったが、2回のテストを経て、姉妹チームのレーシング・ブルズを含めて概ね順調にプログラムを消化しており、その不安はほぼ払拭されたと言っていいだろう。

チーム別:最多ウィリアムズ、最少アストン

順位 チーム 周回数 差 距離(km)
1 ウィリアムズ 425 0 2,300
2 マクラーレン 424 -1 2,295
3 フェラーリ 422 -3 2,284
4 ハース 390 -35 2,111
5 アウディ 355 -70 1,921
6 レッドブル 346 -79 1,873
7 レーシングブルズ 328 -97 1,775
8 キャデラック 322 -103 1,743
9 アルピーヌ 319 -106 1,726
10 メルセデス 284 -141 1,537
11 アストンマーティン 206 -219 1,115

エンジン別:最多メルセデス、最小ホンダ

エンジン別の総周回数は、1452周を走り込んだメルセデスを筆頭に、フェラーリ、レッドブル・フォードと続いた。これはバルセロナ・シェイクダウンの並びと同一だが、1チームあたりの総周回数に換算するとフェラーリ(378周)がメルセデスを逆転してトップに躍り出る。

最少もバルセロナと変わらずホンダで206周にとどまった。供給先チーム数の影響が大きいとはいえ、メルセデス陣営とは3日間を通して6,743kmの差が生じた。この差は、バルセロナの時より大きい。走行距離自体は増加したが、ライバルとの相対的な差で言えば拡大した側面がある。

順位 チーム 周回数 差 距離(km) 周回数/1チーム
1 メルセデス 1452 0 7,858 363
2 フェラーリ 1134 -318 6,137 378
3 RBフォード 674 -778 3,648 337
4 アウディ 355 -1097 1,921 355
5 ホンダ 206 -1246 1,115 206

ドライバー別:最多サインツ、最小アントネッリ

エネルギーマネジメントの観点から、これまでにない多種多様なドライビングが求められているだけに、ドライバーごとの周回数もまた、開幕戦に向けた興味深い指標の一つとなる。

フェルスタッペンは今季型マシンを「アンチレーシング」「ステロイドを打ったフォーミュラE」と辛辣に批判した。ここまで踏み込んだ表現は少数派だが、ドライビング特性が大きく変化したのは確かだ。

注目を集めているのは、低速コーナーで1速までギアを落とす走り方。ターボの過給圧を維持し、続くストレートに向けてエネルギーを回生するためだ。だが、この走法は車体の挙動を不安定にしやすい。

スタート手順も難化している。ターボの過給圧を高めるために10秒近く空ぶかしを続ける必要があり、従来より難易度は高い。ドライバー視点でも、学び、習得すべき要素は非常に多い。

順位 ドライバー 周回数 差 距離(km)
1 カルロス・サインツ 220 0 1,191
2 シャルル・ルクレール 220 0 1,191
3 オスカー・ピアストリ 216 -4 1,169
4 ランド・ノリス 208 -12 1,126
5 アレックス・アルボン 205 -15 1,109
6 ルイス・ハミルトン 202 -18 1,093
7 オリバー・ベアマン 201 -19 1,088
8 マックス・フェルスタッペン 197 -23 1,066
9 エステバン・オコン 189 -31 1,023
10 ジョージ・ラッセル 188 -32 1,017
11 ニコ・ヒュルケンベルグ 178 -42 963
12 ガブリエル・ボルトレート 177 -43 958
13 フランコ・コラピント 173 -47 936
14 リアム・ローソン 169 -51 915
15 セルジオ・ペレス 167 -53 904
16 アーヴィッド・リンブラッド 159 -61 861
17 バルテリ・ボッタス 155 -65 839
18 アイザック・ハジャー 149 -71 806
19 ピエール・ガスリー 146 -74 790
20 ランス・ストロール 108 -112 584
21 フェルナンド・アロンソ 98 -122 530
22 アンドレア・キミ・アントネッリ 96 -124 520