
各チームの現在地が露わに? 2026年F1公式テストのコンパウンド制限とチーム別選択、識別方法
2026年シーズンの行方を占う第1回F1公式プレシーズンテストにおける各チームのコンパウンド選択が発表された。オーストラリアでの開幕戦に向けた準備状況を示唆するという点で、興味深い内容となっている。
第1回テストは2月11日(水)から13日(金)まで、第2回は18日(水)から20日(金)まで実施される。いずれも走行時間は現地時間10時〜14時および15時〜19時の2部制で、今回のテストでは、各期間ごとに利用可能なコンパウンドが制限される。
第1回と第2回で異なるコンパウンド構成
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
2026年2月11日~13日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される第1回F1プレシーズンテストのタイヤ情報
第1回テストで使用できるスリックタイヤは、C1、C2、C3の3種類のみに制限される。各チームは最大28セットのドライタイヤを使用することができ、これに加えてインターミディエイトタイヤが1セット供給される。
ピレリのスリックタイヤは、C1(最も硬い)からC5(最も柔らかい)までの5種類が存在する。硬いコンパウンドは耐久性に優れる一方でグリップ力は劣り、柔らかいコンパウンドは高いグリップを発揮するが摩耗が早い。
コンパウンド構成が保守的な内容となっているのは、この段階では、基本的なマシン挙動の把握や空力データの収集が主な目的になると、ピレリが想定していたためとみられる。
一方、第2回テストでは、C1からC5までのフルレンジが使用可能となる。ただし、各チームが使用できるセット数は最大24セットに減少する。
第2回テストでは雨用タイヤの追加供給はないが、第1回テストで使用したタイヤのうち、9周以内の使用にとどまっているセットについては持ち越しが認められる。
テスト専用の識別システム
今回のプレシーズンテストでは、実際のレースウイークエンドとは異なるコンパウンド識別システムが採用される。
- C1/C2:白
- C1:チェッカーフラッグ柄あり
- C2:柄なし
- C3/C4:黄色
- C3:チェッカーフラッグ柄あり
- C4:柄なし
- C5:赤
第1回テストではC1〜C3のみが使用されるため、「白が2種類、黄色が1種類」という構成になる。C1とC2については、チェッカーフラッグ柄の有無で見分けることになる。
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
新しいグラフィックが採用された2026年仕様のピレリF1ミディアムタイヤ、2025年12月9日F1アブダビ・ポストシーズン・テスト
タイヤ選択が示唆する各チームの準備状況
各チームは、各テスト期間ごとに定められた最大セット数の範囲内で、各コンパウンドの供給数を自由に選択できる。
第1回テストにおける各チームの選択は、シーズン全体を見据えた本テストの位置づけや、開幕に向けた現在の進捗段階を示唆しているようで、実に興味深い。
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
2026年2月11日~13日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される第1回F1プレシーズンテストにおける各チームのコンパウンド選択
順調にバルセロナ・シェイクダウンを消化したチームは総じて、最も柔らかいC3コンパウンドの選択数が多い。パフォーマンス追求を含め、より幅広い走行プログラムを想定していることがうかがえる。
シェイクダウンでの総周回数でトップ3につけたメルセデスとフェラーリ、そしてハースはいずれも、C3を20セット選択した。バルセロナで500周を走破し、2,329kmという最長距離を記録したメルセデスは、すでに基礎的なデータ収集を完了している。
対照的に、シェイクダウンで最も周回数が伸びなかったキャデラックとアストンマーティン、そしてメルセデスエンジン勢の中で最小にとどまったマクラーレンは、C3を8セットのみ選択した。
特にマクラーレン以外の2チームは、信頼性確認や基礎的データ収集を完了できておらず、硬めのコンパウンドを用いて一貫したペースで走行を重ねる必要がある状況にあるとみられる。
アストンはバルセロナでわずか66周しか走行できず、キャデラックは新規参入チームとしてシステム統合に時間を要している。また、マクラーレンは、クルマに対する理解が最優先であるとして、慎重に歩みを進めていく方針を示している。
プレシーズンテストでは、ラップタイムだけでなく、コンパウンド選択や走行内容を見ることで、各チームの現在地がより立体的に浮かび上がってくる。