2021年F1、メルセデスだけでなくアストンマーチン製セーフティーカー登場か
2021年シーズンのF1では、従来のメルセデスに加えて新たにアストンマーチン製のセーフティーカーが登場する事になりそうだ。
RaceFansが伝えたところによるとアストンマーチンはF1との間で、2021年シーズンに予定されている全23戦の内、半数に当たる12戦でセーフティーカー及びメディカルカーを供給する契約を締結したという。なおメルセデス、アストンマーチンは共に、コメントを差し控えている。
メルセデスも残る11戦で供給を行うが、優先権は来季よりF1に復帰する英国のラグジュアリーブランドにある。まずはアストンマーチン側が供給先の12戦を選び、残りの11戦がメルセデスに割り振られる事になるようだ。アストンマーチンは各国での市販車販売戦略を元に供給先を決める事になる。
アストンマーチンは2018年10月の上場以来、売上の低迷と一貫した株価下落に見舞われ、今年4月にカナダ人実業家のローレンス・ストロールが主導する5億ポンド規模(約670億円)の緊急支援策の受け入れを承認。レーシング・ポイントF1チームの共同オーナーである同氏がエグゼクティブ・チェアマンに就任した事から、英国シルバーストンのチームは2021年より「アストンマーチン」を名乗る。
メルセデスは1996年から一貫してF1の公式セーフティカーを独占供給してきた。初代の「C 36 AMG」(1996年-97年)から始まり、2018年に導入された現行型の「AMG GT R」に至るまで、これまでに11車種が安全確保のためにコース上でF1マシンを先導してきた。
報道によるとアストンのセーフティカーは「ヴァンテージ」、メディカルカーは同社初のSUVである「DBX」となる可能性があるようだ。いずれも現行セーフティーカーである「AMG GT R」と同じメルセデスAMG製4リッターV8エンジンを搭載する。
アストンマーチンは2013年より、独シュツットガルトの自動車メーカーからV8エンジンの供給や技術供与などを受けており既にメルセデスと利害関係にあったが、この1年半の間にその関係はより密接したものとなった。
今年5月には、ダイムラーで25年以上に渡り上級職を歴任し、2013年10月からメルセデスAMGのCEO兼最高技術責任者(CTO)を兼任していたトビアス・ムアースを新たな最高経営責任者(CEO)として迎え入れ、10月には技術提携を強化・拡大すると共に、今後3年間を掛けて同社への出資比率を20%にまで引き上げる計画を発表した。
担当のセーフティーカー・ドライバーも注目される。F1では2001年以降、ベルント・マイレンダーが一貫してセーフティーカーをドライブしてきた。来季は「AMG GT R」だけでなく「ヴァンテージ」もドライブするのだろうか?それとも別のドライバーが登場するのだろうか?