トト・ウォルフ、メルセデス2020年F1マシン「W11」シェイクダウンイベントにて
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メルセデスF1代表ウォルフ、アストンマーチン株を購入…移籍話に終止符か?

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ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタス擁するメルセデスAMGのトト・ウォルフ代表が4月17日(金)、英国の高級スポーツカー「アストンマーチン」の株式3700万ポンド分(約49億7,914万円)を取得した。現時点では公開書類で確認が取れていないが、同社がリリースで発表した。

レーシングポイントF1チームを所有するカナダ人大富豪にして、F1ドライバーであるランス・ストロールの父ローレンス率いる投資家コンソーシアム「Yew Tree」は、債務状況が悪化していたアストンマーチンに大規模な資本注入を行い、レーシングポイントは2021年より「アストンマーチン」を名乗る事が決まっている。

トト・ウォルフはErsteAM社を通して「Yew Tree」から14,492,750株を取得。出資比率は4.77%との事だが、アストンマーチンの広報は「現在保留中のライツイシュー(新株予約権無償割当)によって、今回の投資は同社の0.95%の株式に相当する事になる。これはあくまでも金銭的な投資であり、トトとのパートナーシップや彼のメルセデスにおける役員としての役割がこの取引の影響を受ける事はない」と説明した。

アストンマーチンは今月頭に、Yew Treeからの総額5億ポンド規模(約670億円)の緊急支援策の受け入れを正式に承認しており、その内の3億1,800万ポンド分はライツイシューによって賄う事になっている。

トト・ウォルフにはメルセデスを離脱してアストンマーチンへと移るのではとの噂が絶えなかったが、Daily Mailは情報筋の「アストンがメルセデスのBチームになったことは明らかだ」との見解を紹介し、憶測に終止符が打たれようとしていると伝えた。

メルセデスとアストンマーチンはF1のみならず市販車部門でも関係性が深い。シュトゥットガルトは量産エンジンを卸し、ダイムラーはアストンマーチンに出資している。移籍を前提とするならば、メルセデスF1の経営者という今の立場で、好敵手レッドブルのタイトルスポンサーを務めるアストン株を購入することは利益相反にあたりかねない。

なおダイムラーはアストンマーチンの投資家選択に対する拒否権を持っているため、トト・ウォルフの今回の出資はダイムラー役員会の合意が取れていることの証でもある。

トト・ウォルフとメルセデスF1との契約は2020年末を以て満了を迎える。実業家として多額の資産を持つ48歳のオーストリア人は現在、契約の延長を前提としてメルセデスと交渉の席についているが、今回のアストンマーチンへの出資を見る限り、続投は疑いない見通しだ。