
赤旗3度の混沌…アロンソ10番手、改良メルセデスが無双1-2 / F1カナダGP 2026《FP1》結果と詳報
2026年F1第5戦カナダGPのフリー走行1回目(FP1)が現地時間5月22日(金)に行われ、3度の赤旗中断という混乱を経て、選手権リーダーのアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が僚友ジョージ・ラッセルを抑え、タイムシートのトップに立った。
全11チーム中、9チームが新たな開発パーツを持ち込み、検証と最適化に取り組む中、フェラーリと並び空力アップグレードを持たないアストンマーティン・ホンダは、フェルナンド・アロンソが今季プラクティス最上位となる10番手につけた。
アントネッリは、ラッセルに20ポイント差をつけてジル・ヴィルヌーヴ・サーキットでの週末を迎えた。メルセデスは2026年シーズン初の大型アップグレードを投入。その効果は、セッション開始直後から際立つペースとなって表れた。
アントネッリとラッセルはセッションを通じて首位を奪い合い、最終的にアントネッリが1分13秒402を記録。ラッセルに0.142秒差をつけた。さらに、3番手をマークしたルイス・ハミルトン(フェラーリ)には0.774秒もの大差をつけた。
3度の赤旗、ウッドチャックを轢いたアルボン
週末唯一のセッションは、3度のインシデントに翻弄された。
最初の赤旗は、リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)が引き起こした。メカニカルトラブルにより、コース上でマシンを止めた。ローソンは無線でパワーステアリングの不調を訴えたが、調査の結果、油圧リークが判明し、続くスプリント予選の欠場を強いられた。
2度目の赤旗は、モントリオールでしばしば見られる悲劇的な原因によるものだった。アレックス・アルボン(ウィリアムズ)が、ターン6・7のシケインを立ち上がる際にウッドチャックに衝突した。
アルボンはコース端のラインをたどっていたところ、横切ってきたウッドチャックをフロントウイングではねる形となった。その衝撃でラインを外し、アウト側のウォールに激突。車体左側を大きく損傷した。
ダメージはパワーユニットやギアボックスにも及び、アルボンはローソン共々、スプリント予選の欠場を余儀なくされた。
ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットが位置するノートルダム島には、ウッドチャックが多く生息している。昨年はハミルトンも1頭をはねており、長年にわたって接触やニアミスが繰り返されてきた。アルボンの停止により、FIAはセッションを15分延長した。
3度目の赤旗は、セッション残り10分を切ったところで生じた。エステバン・オコン(ハース)がターン4の立ち上がりでスピンし、バリアに正面から衝突してノーズを破損した。オコンはマシンをピットに戻したものの、赤信号が点灯している状況でピットレーンを離れたとして調査を受けた。ただし、不問とされた。
ラッセルにも危うい場面があった。ソフトタイヤでのアタック中にターン1をオーバーランしてコースをカットすると、その後ターン2でバリアに軽く接触するスピンを喫した。ただし、こちらは大事には至らず、コースに復帰した。
ローソン二重苦、コラピントは一周もできず
ローソンの不運は、メカニカルトラブルにとどまらなかった。車両の回収中に、クラッチリリースボタン(CDS)が作動していないことをマーシャルが発見。これはレギュレーション違反に該当する。
トラブルに見舞われたのは、ローソンだけではない。フランコ・コラピント(アルピーヌ)は「スロットルが効かない」と訴え、セッションのすべてを失った。週末最初の1周を走っていたところで、ピットへ戻らざるを得なかった。パワーユニットの電気系統トラブルが疑われる。
このセッションが持つ意味は小さくない。カナダは今季3度目のスプリント開催であり、FP1は週末唯一のフリー走行だった。
その貴重な60分が3度の赤旗で中断されたことは、各チームのセットアップ作業に少なからぬ影響を与えた可能性がある。とりわけ、トラブルで走行を失ったローソンやコラピントの痛手は大きいと言わざるを得ない。
フェルスタッペン序盤に主導権も
メルセデスの後方にはスクーデリア・フェラーリの2台が並んだ。3番手にはハミルトンが入り、4番手にはシャルル・ルクレールがつけた。
5番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、セッション序盤に主導権を握っていたものの、メルセデスがペースを上げるにつれて後退した。
開始直後にはハードタイヤで一時トップに立ったが、マシンに違和感を抱えていた。「奇妙なスナップ」に手を焼いたと不満を漏らし、最終的に首位アントネッリから0.964秒遅れに終わった。
マイアミに続く第2弾アップグレードを投入したマクラーレンは、ランド・ノリスが6番手、オスカー・ピアストリが7番手にとどまった。
両者はともにブレーキングに苦戦した。とりわけピアストリは、フライングラップで何度か挙動を乱した。最終シケインでロックアップを喫し、芝生の上を走る場面もあった。
路面状況もドライバーたちを苦しめた。セッションを通じて滑りやすい状態が続き、マクラーレン勢だけでなく、ハミルトン、そしてアントネッリまでもが、最終シケインやターン1、ターン8などで相次いでコースを外れた。
8番手には、ルーキーのアーヴィッド・リンブラッド(レーシング・ブルズ)がつけた。続く9番手はニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)、そして10番手には、アロンソが意外な速さで食い込んだ。振動問題を解消し、性能改善フェーズへと足を踏み入れたアストンマーティン・ホンダにとって、明るい材料となりうる結果だ。
スプリント予選は日本時間5月22日(金)29時30分から1時間の日程で開催される。セッションの模様はフジテレビNEXTで生配信・生中継される。
2026年F1第5戦 カナダGP フリー走行1(FP1)リザルト
| Pos | No | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 12 | キミ・アントネッリ | メルセデス | 1:13.402 | 0.000 | 33 |
| 2 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:13.544 | 0.142 | 35 |
| 3 | 44 | ハミルトン | フェラーリ | 1:14.176 | 0.774 | 36 |
| 4 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:14.355 | 0.953 | 36 |
| 5 | 3 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:14.366 | 0.964 | 31 |
| 6 | 1 | ノリス | マクラーレン | 1:14.799 | 1.397 | 32 |
| 7 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 1:14.963 | 1.561 | 32 |
| 8 | 41 | リンブラッド | レーシングブルズ | 1:15.452 | 2.050 | 33 |
| 9 | 27 | ヒュルケンベルグ | アウディ | 1:15.698 | 2.296 | 28 |
| 10 | 14 | アロンソ | アストンマーティン | 1:15.863 | 2.461 | 31 |
| 11 | 5 | ボルトレート | アウディ | 1:16.214 | 2.812 | 33 |
| 12 | 6 | ハジャー | レッドブル | 1:16.253 | 2.851 | 29 |
| 13 | 31 | オコン | ハース | 1:16.497 | 3.095 | 32 |
| 14 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:16.642 | 3.240 | 15 |
| 15 | 55 | サインツ | ウィリアムズ | 1:16.660 | 3.258 | 36 |
| 16 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 1:16.809 | 3.407 | 29 |
| 17 | 18 | ストロール | アストンマーティン | 1:16.978 | 3.576 | 30 |
| 18 | 30 | ローソン | レーシングブルズ | 1:17.431 | 4.029 | 5 |
| 19 | 87 | ベアマン | ハース | 1:17.770 | 4.368 | 26 |
| 20 | 77 | ボッタス | キャデラック | 1:17.868 | 4.466 | 28 |
| 21 | 11 | ペレス | キャデラック | 1:17.926 | 4.524 | 28 |
| 22 | 43 | コラピント | アルピーヌ | 1 |
コンディション
| 天気 | 晴れ |
|---|---|
| 気温 | 15℃ |
| 路面温度 | 37℃ |
セッション概要
| グランプリ名 | F1カナダGP |
|---|---|
| セッション種別 | フリー走行1 |
| セッション開始日時 |
サーキット
| 名称 | ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット |
|---|---|
| 設立 | 1978年 |
| 全長 | 4361m |
| コーナー数 | 14 |
| 周回方向 | 時計回り |