
変更支持派にF1開幕戦での「抗議」を促すアルピーヌ、圧縮比論争に一石
2026年シーズンの開幕を前に、エンジンの圧縮比を巡る論争が続くなか、メルセデス製PUを搭載するアルピーヌが規則変更支持派に対し、オーストラリアGPで正式な抗議を行うよう促した。この発言の背景には、規則変更が危険な前例となりかねないとの懸念があるという。
来週バーレーンでF1コミッション会合が予定されるなか、圧縮比の測定条件を利用してメルセデスが優位性を得ているとの議論は、依然としてパドックを揺るがしている。
ホンダ、フェラーリ、アウディ、そしてレッドブルの4社は、メルセデスが得ているとされるアドバンテージを封じるため、測定条件を「常温」から「高温=稼働時」に変更すべきと訴えているとされる。来週バーレーンで開催されるF1コミッションの会合は、この問題を巡る重要な局面となる見通しだ。
イギリスの専門メディア『The Race』によると、アルピーヌのマネージング・ディレクターを務めるスティーブ・ニールセンはバーレーンテスト3日目、「彼らには抗議する権利があると思う。もし本気でそう考えているのであれば、それに賭け、メルボルンで行動を起こすべきだ」と語り、ロビー活動にとどまらず開幕戦の地で正式な手続きを踏むよう規則変更支持派に迫った。
また、国際自動車連盟(FIA)が開幕前にこの問題を解決することを望むとしつつも、「メルボルンでの話題が圧縮比一色になってほしくない」と述べ、スポーツの健全な運営への懸念を示した。
F1チーム、FIA、そしてフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)で要職を歴任してきたニールセンが最も危惧しているのは、開幕直前のルール変更がもたらす「悪しき前例」だ。
「より根本的な問題は、この問題への取り組み方そのものにある。明確に記された規則がこのような形で異議を唱えられるなら、あらゆる規定が議論の対象になりかねない」とニールセンは指摘する。
莫大な時間と資金を投じて規則を順守した開発を行った側が、後からの解釈変更によって不利益を被るような事態は、F1の信頼を根底から揺るがしかねないとの立場だ。そのうえでニールセンは「我々はメルセデスを全面的に信頼している」と強調した。
「彼らは明確な規則に基づき、誠実にパワーユニットを開発した。統括団体(FIA)が正しい判断を下すと信じている」
開幕戦オーストラリアGPを前に、技術論争は抗議という選択肢も含む新たな段階に入りつつある。来週のF1コミッションでFIAは従来のスタンスを維持し、メルセデスの解釈を支持するのか。それとも立場を転換し、ルール改定に向けた最終投票への道が開かれるのか。
2026年プレシーズン最大の論点は、最終局面へと入りつつある。