F1:カタールGPで「タイヤ使用制限ルール」導入か、繰り返されるトラブルの再発防止に向け協議

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F1公式タイヤサプライヤーのピレリが、11月28~30日に開催される2025年F1第23戦カタールGPに向けて、タイヤの使用距離を制限する新たなルールの導入を検討していることが分かった。

舞台となるロサイル・インターナショナル・サーキットは、タイヤにとって過酷な条件が揃う特殊な環境を持つ。高速コーナーが連続し、路面は粗く、縁石は攻撃的――この組み合わせがタイヤを極限まで追い込む。実際、2021年の初開催以来、すべてのグランプリでトラブルが発生している。

ドイツの専門誌『Auto Motor und Sport』によると、ピレリは今月末のグランプリに向け、1セットごとに走行距離の上限を設けるアイデアをチーム側と協議しているという。具体的な上限距離は交渉段階にあるが、最終的には全ドライバーが最低2回のタイヤ交換を強いられる見通しとされる。

繰り返されるタイヤトラブルの歴史

左フロントタイヤがパンクしたウィリアムズのニコラス・ラティフィ、2021年11月21日F1カタールGP決勝レースにてcopyright FORMULA 1

左フロントタイヤがパンクしたウィリアムズのニコラス・ラティフィ、2021年11月21日F1カタールGP決勝レースにて

カタールGPが初開催された2021年大会では、レース中に4件のパンクが発生した。いずれも左フロントタイヤで、バルテリ・ボッタス、ジョージ・ラッセル、ニコラス・ラティフィ、ランド・ノリスが被害を受けた。いずれのケースも摩耗が進んだタイヤで走行を続けた結果、「縁石による想定外の負荷」に耐えきれず破損に至った。

2年後にカタールGPがF1カレンダーに戻ると、状況はさらに深刻化した。新世代のグラウンドエフェクトカーは前世代より約50kg重く、コーナリング速度も上昇。ドライバーたちはより広いラインを取るため、縁石をさらにアグレッシブに使うようになった。

その結果、強烈な「高周波干渉」がタイヤを襲い、タイヤのサイドウォールとケーシングの間に微細な亀裂が発生した。縁石の位置変更も効果はなく、FIAとピレリは安全確保のため、1セットあたりの走行上限を18周に制限。実質的に最低3回のピットストップを義務化した。

翌2024年には悪名高き”ピラミッド型縁石”が平坦化され、リスクは低減されたものの、依然として摩耗への懸念は残った。他サーキットと異なり、ロサイルでは熱による劣化ではなく、摩耗そのものが最大のリスク要因だ。

「トレッド面が薄くなりすぎると、タイヤは外的要因から守られなくなる。小石や破片によってゴム層が裂ける可能性が高まる」と、ピレリのモータースポーツ責任者マリオ・イゾラは説明する。

ピレリは推奨ベースでチームに対し「24周を超えて同一タイヤを使用しないよう」要請したものの、複数のチームが戦略上の理由からこれを無視。結果として、ルイス・ハミルトンとカルロス・サインツが34周目に相次いで左フロントタイヤをパンクさせた。両者は摩耗したタイヤで、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)のマシンから脱落したリアビューミラーの破片を踏んでいた。

義務ストップではなく、走行距離制限へ

再発防止に向け、ピレリはチームとともに走行距離制限の導入を模索している。検討されているのは「ピットストップ回数の義務化」ではなく「1セット毎の走行距離制限」だ。というのも、前者では各セットの使用距離を制御できないためだ。

最終的な上限値は調整中とされるが、レース中に全ドライバーが最低2回のタイヤ交換を行うことは確実と見られている。

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