
角田裕毅は才能に甘んじて”努力”を怠っている? トストが叱咤、恩師が語る問題点
角田裕毅(レッドブル)は2025年F1第16戦イタリアGPで不完全燃焼の結末を迎えたが、アルファタウリ(現レーシング・ブルズ)の元チーム代表フランツ・トストは、角田の才能を高く評価しながらも「才能だけでは不十分」と警鐘を鳴らした。
ドイツの専門メディア『Motorsport-Total』によると、トストは「ユーキには素晴らしいスピードがあるが、それは問題でもあるかもしれない。彼は下位カテゴリー、F3やF2でも常に非常に良い成績を残してきた。つまり、すべてを容易に手に入れてきたわけだ」と指摘した。
その上で「私は彼にいつも言ってきた。『もしチームメイトより0.5〜1秒遅いなら、日夜パドックに残ってデータを徹底的に研究し、自分が遅い理由を突き止めるべきだ』とね」と語り、勤勉に仕事に取り組むことの重要性を説いた。
そして「ユーキには才能がある。だが残念ながら熱意も勤勉さも足りない」と厳しい評価を下し、最終的に残留できるかどうかは「彼自身の努力次第だ」と突き放した。F1デビューから角田を間近で見守ってきたトストの言葉には重みがある。
発言の背景には、角田と同じくトストの教え子であるセバスチャン・ベッテルとの比較があると考えられる。
4度のF1王者はジュニアカテゴリー時代から常にメモを取り、学びを蓄積し、必要に応じて振り返ることを習慣としてきた“勉強家”であり、キャリア最後の所属先アストンマーチンでチーム代表を務めたオトマー・サフナウアーは「誠実な人間だし、とても勤勉だ。仕事への姿勢が素晴らしく、細部まで手を抜かない」と評価。フェラーリ時代のチームメイト、シャルル・ルクレールもまた、その勤勉さを称賛している。
角田のイタリアGPは、リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)との接触によって事実上終了した。角田は「越えてはいけない一線を越えた」と強く示唆し、元チームメイトを痛烈に非難したが、この接触はレーシングアクシデントとして処理された。一方で、識者の中には角田に責任があると指摘する声もある。
さらに角田は、オープニングラップでのルイス・ハミルトン(フェラーリ)の動きについても「突っ込んできたのは明らか」と批判した。
3戦ぶりにQ3進出を果たしながらも、勝利したチームメイトのマックス・フェルスタッペンに周回遅れにされかけ、13位でフィニッシュ。角田は直近9戦のうち8戦で入賞を逃した。ドイツの衛星テレビ局『Sky Sports』で解説を務める元F1ドライバーのティモ・グロックは、モンツァでの角田のパフォーマンスを辛辣に批判した。