
コラピント、角田裕毅との接触 & 選手権首位ピアストリを芝生に追いやった瞬間を振り返る
2025年F1第11戦オーストリアGPの決勝レース55周目、フランコ・コラピント(アルピーヌ)は意図せず、ドライバーズ選手権をリードするオスカー・ピアストリ(マクラーレン)をリタイヤ寸前の危険な状況に追い込むこととなった。
コラピントは当時、角田裕毅(レッドブル)と激しいバトルを繰り広げていた。その最中のターン3でコースを外れたことで、角田にイン側から抜かれたコラピントは、すぐさま反撃を試みた。
だがその際、チームからの警告にもかかわらず、両者を周回遅れにしようとしていたピアストリの接近を考慮に入れていなかった。角田のスリップストリームに入ろうと右にステアリングを切ったコラピントの動きによって、ピアストリは行き場を失い、ホイールが芝生に乗り上げる危険な状況に陥った。
「彼のことは見えていなかった。死角に入っていたし、僕はツノダとのバトルに集中していた。どうしても抜き返したかった」と、コラピントはレース後に釈明した。
デレク・ワーウィックら4名のスチュワードは、当時の状況においてピアストリを視認できなかったというコラピントの説明に一定の理解を示し、情状酌量の余地を認めたうえで、5秒のタイムペナルティと1点のペナルティポイント(累積3点)を科す決定を下した。この裁定により、コラピントの最終順位は15位へと降格された。
この日はコラピントにとって苦難の連続だった。序盤からペース不足に苦しみ、レース中盤にはターン4の立ち上がりで角田と接触。マシンにダメージを負ったことで大きくタイムをロスした。
「ツノダとの接触で大きく遅れてしまった。フロントウイングにダメージがあり、おそらくフロアにも影響があったと思う。それで一気に後退してしまった。残念だよ」と肩を落とした。
アルピーヌにとっても苦い週末となり、コラピントとピエール・ガスリーはともにトップ10圏外でレースを終えた。一方でザウバーが今季初のダブル入賞を果たしたことで、アルピーヌが目指すコンストラクターズ選手権9位の座はさらに遠のき、両チームのポイント差は16にまで広がった。
2025年F1第11戦オーストリアGPでは、ランド・ノリスがポール・トゥ・ウインを飾り、オスカー・ピアストリが2位と、マクラーレンが1-2フィニッシュを達成。3位表彰台にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。
伝統のシルバーストン・サーキットを舞台とする次戦イギリスGPは、7月4日のフリー走行1で幕を開ける。